アートという「魂」で、言葉なき命の明日を変える
アートとは、単に部屋を飾るための「美しさ」ではありません。それは、現状に疑問を投げかけ、世界をより良い方向へ動かすための「コンセプト(思想)」であり、「魂」そのものです。
神出鬼没のアーティスト・バンクシーのコンセプトが「既存のシステムや権力、社会の無関心にアートで一石を投じ、人々の視点を変えること」であるように、現代アートの最たる価値は「世界を変えたい」という信念にあります。
私が展開している「ワンニャンモニュメント」もまた、その信念から生まれました。
今から40年ほど前、デザインを学んでいた私は、運命的にあのサルバドール・ダリの展示会スタッフとして、歴史的アートの息吹を間近で感じる機会を得ました。今でこそ誰もが知るシュルレアリスムの巨匠ですが、当時の日本ではまだ「ダリって、だれ?」と言われるような時代です。しかし、彼の作品を用いた告知が打たれると、瞬く間に多くの人々が会場へ押し寄せました。その光景を目の当たりにし、世界的な巨匠の作品に手を伸ばせば届く距離で触れたとき、私は強烈に確信したのです。「アートの力は、決して手の届かない夢物語ではない」と。
技術的に優れた作家は、世の中に星の数ほど溢れています。しかし、現代アートの三原則(作品・認知・拡散)が真に機能したとき、作品は社会の境界線を超える大きな力となります。
正直に言えば、言葉なき犬猫たちの問題をアートに落とし込むことへの抵抗や、他の多くのアーティストの障壁となっている日本特有の「海外や業界で評価されて初めて、評価される」という文化の壁にぶつかることもあります。
しかし、私の作品に込めた「小さな命を救いたい」という情熱は、作品の規模に雲泥の差はあれど、ダリが作品に込めた情熱と同じ純度のものです。
「ワンニャンモニュメント」という表現を言語にして、犬猫たちの想いを未来へ紡ぐ。
この微力な一歩が、やがて彼らを取り巻く現実を優しく、そして確かに変えていくと私は信じています。

