口腔に共鳴を集めるシャウト唱法の極意‼︎ | 音域を伸ばしたいヴォーカリスト必見!1年以内にあなたの音域を倍以上にするボイストレーニングを伝授します!

音域を伸ばしたいヴォーカリスト必見!1年以内にあなたの音域を倍以上にするボイストレーニングを伝授します!

.ヘヴィメタルのハイトーンボイスに特化したボイストレーニングを受けてきた著者が高音域発声に特化したボイストレーニングをお教えします。

こんばんは‼︎

 

ヴォーカリスト兼ボイストレーナーのKです。

 

 

今回は昨日に引き続き、声区融合についてのお

話です。

 

ミックスボイスのアプローチとは全く異なった

融合方法についてこの記事では解説します。

 

全く異なったとは申しましたがどちらかといえ

ば今回お話する方法がミックスボイスメソッド

の起源になるベルカント唱法のメソッドに倣っ

ています。

 

それをさらにロック、ヘヴィメタルに応用でき

る方法をご紹介しますね。

 

ではまずおさらい。

 

発声の基礎力となる純粋な地声と裏声の重要性

については前回記事まででお話してきましたね

 

この基礎力なくして広い音域で自由自在に声を

操ることは困難です。

 

ここが十分に鍛えられないまま声区を融合させ

ても大した声は出てきません。

 

むしろ歪な融合を生み出してしまい歌唱に悪影

響を及ぼします。

 

これはリード先生やフースラー先生も口を揃え

て言及しています。

 

お二方の著書はこちら。

 

 

 

 

さらにチェザリー先生も含めると20世紀の三

大ボイストレーナーとなります。

 

こちらはチェザリー先生の著書。

 

 

 

 

書籍紹介はそこそこにして話を戻しましょう。

 

ここまではポピュラーも声楽も古来からのベル

カント唱法と考え方は同じです。

 

ですが人間本来の自然な発声を追求する声楽と

マイクを使った人工的な共鳴を利用するポピュ

ラーシンガーではこの先のノウハウが少し異な

ります。

 

全身を楽器として振動させる声楽に対し、ポピ

ュラーシンガーはある一方向に声を集めて発声

することが求められます。

 

全方向に広く拡散させるか一方向に鋭く飛ばす

か。

 

こんな違いです。

 

ここで大きな役割を担うのが口腔共鳴のアンザ

ッツ1です。

マイクがどこに密着しているのかを考えればこ

の答えは簡単ですね。

 

とは言えベルカント唱法でも声区融合の際には

このアンザッツ1の重要性は言及されてます。

 

ヴォーチェ・ディ・フィンティ

メッツォ・ファルソ

 

などがその良い例です。

 

これらは裏声起因の声ですがいずれも同じ表

現で解説されてます。

 

「純粋な裏声に幾分鋭い音色を持たせた声」

 

これが上記の声の正体。

 

そしてこれはアンザッツ1の共鳴を用いた裏声

であることを明確に示唆してますね。

 

なぜかって?

 

アンザッツ1というのは全てのアンザッツの中

で最も鋭く硬い音色を生み出せる箇所だから

です。

 

これは地声でも裏声でも同様ですよ。

 

で、このヴォーチェ・ディ・フィンティやメ

ッツォ・ファルソのみが本来結びつくはずの

ない地声と裏声を結びつけ一本の声として繋

げる媒介物の声と考えられていました。

 

ここまではベルカント唱法の考え方ですがポピ

ュラーシンガーであってもこの鋭い音色の裏声

の鍛錬は必修です。

 

 

前置きが長くなりましたね。

 

ロック、メタルを歌うためのノウハウについ

てご興味ある方はこの先もお読みください。

 

 

では本題です。

 

 

ロック、メタルを歌う際の心得。

 

アンザッツ1をブースト

させることでシャウト

唱法が可能‼︎

 

これですね。

 

声楽でもこのアンザッツ1は使われますが経過音

として扱われることがほとんどで強調して用い

ることは少ないでしょう。

 

声楽は全てのアンザッツのバランスをとりつつ

より自然な声で歌うのが作法ですからね。

 

それに対してマイクを使って激しくシャウトす

るロック、メタルシンガーはアンザッツ1に声を

集めた方がマイクに音が乗りやすいんです。

 

尚且つそのジャンルに相応しいノイジーでハス

キーな歌声も作りやすい。

 

他のアンザッツは副次的に共鳴していればそれ

で十分。

 

ですので

 

アンザッツ1に声を集中させるのがロック、メタ

ルシンガー独自のノウハウですね。

 

代表格はやはり

 

ロックンロールであればロックの神様とまで言

われるリトル・リチャードですし

 

 

 

ヘヴィメタルであればロニー・ジェイムス・デ

ィオでしょう。

 

 

 

 

このお二方が彼らの後にデビューした多くの有名

なロック歌手たちに多大な影響を与えたと考えれ

ばその功績は偉大すぎます。

 

ポール・マッカートニーやフレディ・マーキュリ

ーはリトル・リチャードから大きく影響受けてま

すし。

 

ディオに関しては欧米のメタル界隈の歌手であれ

ば彼から影響を受けていない歌手の方がむしろ少

ないのではないでしょうか?

 

日本ではそんな有名ではないんですけどね(笑)

 

欧米ではメタル歌手の神様であったり教授とま

で呼ばれ崇め奉られています。

 

両名ともアンザッツ1から繰り出される非常に

強烈なシャウト唱法が特徴的。

 

この図太く鋭い音色の高音域の原音が実は裏声

だなんて信じられますか?

 

地声にしか聞こえてこないでしょう??

 

アンザッツ1で裏声と地声を融合させその両方

を内包し子音と破裂音を爆発させた歌声だから

こそできる芸当です。

 

現代であってもこれクラスの歌手には日本はも

ちろん世界でもなかなかお目にかかれません。

 

まさにロック界のレジェンドですね。

 

ではこのアンザッツ1についてですが口腔の声

を集めるとは言っても力めば良いのか?

 

と言われるとそうではなくてですね・・・

 

アンザッツ1に声の意識を集中はさせますが力

んでは共鳴が口腔の奥に引っ込んでしまいます

 

なのでアプローチ方法としては内耳に返ってく

る声がより鋭くなるように集中します。

 

鋭く=うるさく甲高い母音が内耳に返ってくる

ように意識をしましょう。

 

内耳に響く声はとんでもなく悪声に聞こえて良

いです。

 

今までのご自分の声ではありえないくらいにう

るさく甲高い音声が内耳に返ってくるように歌

声を練り出しましょう。

 

キンキンと金属的に響いて歌唱後に軽く耳鳴り

が残るくらいが調子良いですね。

 

そしてこれは中低高音域全てに共通します。

 

低音域で力むとこの甲高さや鋭さが失われてた

だの重たい音色の地声になってしまいます。

 

高音域でも力むと音の硬さが消えて裏声の強音

になってしまいます。

 

中音域では上記の双方の現象が出ることがあり

ます。

 

なので全ての音域でこの甲高さ、鋭さを内耳に

感じられるように声を調整していきます。

 

この時にアンザッツ1発声時のみに働く声帯閉

鎖筋が良い仕事をします。

 

フースラー先生の原文から引用するとアンザッ

ツ1に声を集めると

 

「声門閉鎖」

「声帯閉鎖」

 

この状態を引き起こしてこれが鋭く、甲高い

音色の母音を作り出すんです。

 

この声帯閉鎖は音域に関わらず作用します。

地声の音域でも裏声の音域でもこの閉鎖は起き

ます。

 

 

実際、この声になるよう調整して録音して聴い

てみるとかなり良い感じに仕上がっているはず

です。

 

力でどうにかする話ではないですね。

 

アンザッツ1に声が集まっていれば自ずと母音

は鋭く、甲高くなります。

 

これはリアルタイムでご自身でモニタリングし

つつ歌ってみつるのが一番掴みやすいかなと。

 

なのでモニターヘッドフォンはあった方が良い

ですね。

 

あるいは・・・

 

・風呂場で歌う

 

・声を反射する壁面に近距離で向かい合って歌

 

・唇に少し大きめの紙(A4かA3サイズくらい

 )の紙を唇に軽く付けて歌う

 

こんな方法もありですね。

 

風呂場、壁面に向かって歌うのは声が反響する

のでわかりやすいでしょう。

 

紙を使う場合は、歌唱時に全てのフレーズで唇

に接触してる紙がビリビリと強烈に振動する共

鳴ポジションを探りつつ歌います。

 

紙が振動しない時はアンザッツ1に共鳴が集ま

っていないってことなので紙が振動するポジシ

ョンを探りつつ発声を是正します。

 

この方法の利点は視覚で共鳴部分を判別できる

とこです。

 

聴覚に自信のない方はこの方法がやりやすいか

もしれませんね。

 

 

では今回は以上です。

 

お読みいただきありがとうございました。