裏声歌唱に地声を入れていく際の注意事項。 | 音域を伸ばしたいヴォーカリスト必見!1年以内にあなたの音域を倍以上にするボイストレーニングを伝授します!

音域を伸ばしたいヴォーカリスト必見!1年以内にあなたの音域を倍以上にするボイストレーニングを伝授します!

.ヘヴィメタルのハイトーンボイスに特化したボイストレーニングを受けてきた著者が高音域発声に特化したボイストレーニングをお教えします。

こんばんは‼︎

 

ヴォーカリスト兼ボイストレーナーのKです。

 

 

今回は前回記事の補足的なお話です。

 

地声と裏声をバランスよく融合させ充実した

歌声を実現させるために終始裏声で歌い切る

ことを僕の教室では推奨しています。

 

ボイトレの発声練習で融合した声を見つけて

発達させたとしても歌にまで落とし込めない

ケースは非常に多いんです。

 

僕もそうでしたが、発声練習ではちゃんと出

せるのにいざ歌うと、元の発声に戻ってしま

うんです。

 

元の発声とは?

 

いわゆる地声に偏った重たい声です。

 

以下のアンザッツで解説すると「2」に偏り

すぎた声ですね。

 

 

 

ここで注意ですがアンザッツ「2」が歌に使っ

ては駄目な声って話ではないです。

 

「2」に偏りすぎているのが問題。

 

これは多くの日本人男性が抱えている発声上の

問題とも言えます。

 

理屈上はこの偏りすぎたアンザッツ「2」の地

声をその上方にある「1」「3b」まで引き上げ

てこれれば良いんです。

 

ただこのアンザッツ「1」「3b」の地声は日常

会話で使うと作法的にかなり変な声です。

 

端的に表現すると

 

うるさくて耳障りな声です。

 

こいつ、人のこと馬鹿にしてるんかな?

 

この人はおかしいわ。

みたいに疑われても仕方のないような(笑)

 

日本で男性が日常会話で用いるにはとても甲高

く耳障りな声なんですよねえ・・・

 

声の通りも良いので必然的に大きな声に聞こえ

ますし。

 

ワンチャン、女性ならまだ許容される声ではあ

ります。

 

日本は狭い国ですし人口密度も高いでしょう?

 

なのでやはり大きな声は必然的に好まれません

し物静かにした方が社会的にも良しとされてい

ます。

 

実際、僕も電車に乗ってて大声で話してる人を

見かけるとイラッとしますしね(笑)

 

と、まあこんな社会状況もあって日本人(特に

男性)はアンザッツ「1」の地声をあまり使う機

会はないわけです。

 

使わないってことは当然、その発声機構は衰弱

していきます。

 

なので使い方も忘れてしまっている方がほとん

ど。

 

ただ、このアンザッツ「1」は特にロック、ヘヴ

ィメタルを本格的に歌うには超重要なんです。

 

なんなら全てのポピュラーソングをプロ級に歌

うにも必須。

 

 

で、このアンザッツ「1」の機能を回復し正常に

動作するようにするために裏声で歌い切るって

練習方法はとても有効なんです。

 

裏声で歌っているのになんで地声に作用がある

んですか?

 

こんな疑問をお持ちになる方もいますでしょう

が地声と裏声はつながっています。

 

 

特に中低音域では裏声から地声へのスムーズな

移行も練習次第で習得可能な技術です。

 

これは前回記事でも書いた通りですね。

 

mid2Fよりも下の音階で裏声の最弱音から地声

の最強音までをワンブレスで音を膨らませる練

習が事前に必要。

 

これが出来ていない方はまだ裏声で歌い切りに

いく練習に入るのはまだ早いです。

 

なので上記の練習と裏声の個別強化の練習から

先に行いましょう。

 

 

で、この記事ではアンザッツ「1」に付いても

う少し追記していきます。

 

裏声で歌っているのになぜアンザッツ「1」が

使われるのでしょう?

 

まずは基本的な裏声の性質からおさらいです。

 

 

そもそも純粋な裏声は高音域がとっても得意

な声。

 

ところが中低音域に降ってくると一気に力を

失って声の支えや芯も感じられないため息の

ような声に収縮していきます。

 

実際、裏声で歌うと高音域では気持ちよく張

れていた歌声も中低音域では全く歌っている

感はなくなるでしょう。

 

高音域発声では耳にキーンという耳鳴りに近

い音声が内耳にも聞こえてきますが中低音で

はその音は聞こえなくなります。

 

そして支えもなく芯もなくコントロールしづ

らい。

 

フラストレーション溜まりますよねえ・・・

 

これが純粋な裏声で歌った時に起こる主な現

象かなと。

 

 

ところがね、少し見方を変えて別の視点から

観察してみると違った側面も見えてきます。

 

録音して聞いてみましょう。

 

すると、歌っている時に内耳で聞こえていた

弱々しい声とは少し違った聞こえ方になるは

ず。

 

あれ、歌っていた時に感じてたよりもちゃん

と音声として聞こえる。

 

こんな感想を抱くと思いますよ。

 

これは実際その通りで実は中低音の裏声って

音声としては全く悪くないんです。

 

ただ、どうしても硬さや鋭さが足りません。

 

そこさえ除けば、実は音声としては十分に歌

に使える声です。

 

なので歌唱時の声の通り道としては裏声発声

が最も理想的とも言えます。

 

では、次の段階です。

 

先述した通り中低音では裏声は支えも芯もな

く地声歌唱時のような硬さや鋭さも出せませ

ん。

 

ここでアンザッツ「1」と「3b」の地声が登

場します。

 

中低音で裏声の音声を充実させようと音色を

強めていくと「3b」を意識するようになりま

す。

 

この段階で同じくアンザッツ「3b」の地声を

入れることも可能です。

 

ですがこの「3b」で融合した声はまだマイル

ドな音質で裏声に近い声ですね。

 

高音域発声時に感じられていた内耳にキーン

とした音声もまだ聞こえません。

 

ここでさらにもう一段階。

 

鼻根に当てていた声を約1センチくらい下に

ある上前歯に当てにいきます。

 

ここがアンザッツ「1」です。

 

ここまでくるともう内耳で聞いても録音して

聞いても地声にしか聞こえないでしょうね。

 

そしてこのアンザッツ「1」が融合された裏

声は中低音域にも関わらず裏声で高音域発声

時に内耳に聞こえていたキーンとした音声が

聞こえるようになります。

 

ここまで来ればもうなんでも歌えますね。

 

特に「1」が際立っている歌い方をする歌手

はロックやヘヴィメタルにこそ多いんですが

他のジャンルでも重要なアンザッツです。

 

日本だと、稲葉浩志さん、美空ひばりさんが

代表格かなあ。

 

海外の方ならほぼほぼ全員当てはまるんです

が特に「1」が際立っている歌手は

 

カート・コバーン

アクセル・ローズ

スティーブン・タイラー

ロブ・ハルフォード

マイク・ヴェセーラ

ラルフ・シーパース

 

僕の好きな歌手の中ではこのあたりかな。

 

カートの歌声だけ貼っておきます。

 

僕が無知なだけなのか天才的なソングライター

としては極めて有名で歴史に名を残してますが

歌手としてはあまり評価されてないような気が

する。

 

気のせいかな・・・

 

ですが実はカートは歌声も凄いんです。

 

アンザッツの「1」「3b」「3a」だけで歌って

いるような感じです。

 

彼特有のノイズやしゃがれたような音声は喉で

はなく鼻腔で歪ませてますね。

 

決して声を張り上げているわけではないです。

 

この歌い方なら喉はかなり楽。

 

てかこの動画のカートめっちゃかっこいい

(笑)

 

 

なんとなく共通点はお分かりになりますでし

ょうか。

 

皆、母音が極めて鋭いんです。

金属的な共鳴の母音が聞けます。

 

いきなりすぐには出来ませんが実際に裏声で

歌唱する際に、この声が数フレーズでも良い

ので発声出来るようにしていきましょう。

 

様々な楽曲を歌ううちに徐々にこの声の感覚

が掴めてきます。

 

 

ポイントとしてはどのフレーズを歌っても内

耳に常に高音域発声時と同じようなキーンと

した音声が聞こえるのかどうか?

 

これを判断基準にすると良いナビ役になるか

なと。

 

。。。。

 

すみません、今更ではありますがこの一連の

練習は常にマイクを使って行うことを強く推

奨します。

 

リバーブやエコーなどのエフェクター類はオ

フにします。

 

ミキサーのセッティングは一般的なボーカル

向けのもので問題ないです。

 

できればモニターヘッドフォンで返しつつ、

歌えればなおよしです。

 

 

 

では今回は以上です。

 

 

お読みいただきありがとうございました。