きまぐれ裁判傍聴記。
気がついたら週一で東京地裁に通っていました。。
ニュースにならない小さな事件の人間ドラマ…裁判所で浮き彫りになる社会の矛盾…裁判長が被告人に言った一言が、なぜか自分の心に響いたり…  

不謹慎だけど、どんな映画や演劇よりもオモシロイ「裁判傍聴」
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ネットカフェ難民の末路。

被告人は35歳の住所不定無職の男性。
食う物も寝る場所もなく、CDを万引きしては換金し、その金を使って漫喫で寝泊まりしていた。
某ビデオレンタル店で私服警備員に見つかり逮捕。



被告人、もう見るからにやる気のなさが滲み出てます。。
終始猫背、髪ボサボサ。
グダグダです。。



検察官「釈放後は仕事どうするの?

被告人「え、まあ、何か見つけたいと思います

検察官「当てはあるの?

被告人「あ、ないです

検察官「あのさあ、何かやりたいこととかさ、夢とかはないわけ?

被告人「あー、いや、ないですね。




あんたねえ、35歳なんだから。。
なんかやる気のない子供みたいな受け答えです。




裁判官「じゃあ、最後に何か言っておきたいことは?

被告人「この度は本当に申し訳ありませんでした。あの~、なんていうか~、その、どうか許してください…





許して下さいって、あんた…
こりゃダメだ…



どういう育て方したらこんな人間に育つのか知りたいものです。


と思ったらボクの隣の隣に被告の父親が…



父親は厳つい頑固顔で、被告人が発言する度に「チッ!」と舌打ちしてました。


ガクガク(((( ;°Д°))))ブルブル



即決の判決で執行猶予。
釈放後は父親と実家に帰るそうです。

なんか、この父親、2人になった途端被告を殴り飛ばしそうで怖い…

ガクガク(((( ;°Д°))))ブルブル



やさしく話し合ってあげてほしいものです。。









教育ママの末路。

雨の東京地裁。



今日は元妻を殴打して死亡させ、遺体をバラバラにした元NHK集金人、志賀耕二被告の判決公判を傍聴した後、これもまた夫を殺害してバラバラにしてしまった三橋歌織被告(カオリンドキドキ)審理の傍聴券抽選まで、他の裁判をハシゴ。


元NHKスタッフに実刑・東京地裁、前妻への傷害致死罪
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080410AT1G1000M10042008.html





人を殺した人間を初めて目の前で見たが、志賀被告はなんだか人のいい普通のお父さんという感じだった。



裁判長「主文、被告人を懲役10年に処する。」



う~む、人を殴り殺した上に遺体をバラバラにしたのに、10年で社会に出て来れるのか…

自首したとはいえどうなのだろう…俺が遺族なら絶対納得できないね。






興味深かったのはこの裁判の後に傍聴した住居侵入・窃盗の新件だった。




被告は40代の女性、某有名大学卒。職業は音楽教室の先生で、夫と2人の子供がいる。

起訴状によると、被告は知人で仲の良い近所の家に計7~8回侵入し現金を奪った罪。しかもその被害者の家の子は自分の音楽教室の生徒でもあった。


生活に困っての犯行と思いきや、なんと被告の夫の年収は1000万以上!


被告「子供は一人病死している。だから今いる子供たちが望むできるだけのことはさせてあげたいと、一人あたり月に20万以上を子供の習い事などの教育費に使っていて…つい…


というようなことを、終始下を向いたまま蚊の鳴くような声で語った。
証人の証言、証拠調べ中もずっと下を向いたまま。



裁判長
あのね、あなた、今だけでいいから顔を上げて、裁判官の目を見て話をききなさい。  人間にとってね、一番大切なことって何だと思う?


被告人「良心…」(消え入りそうな声で)


裁判長「こんなことしてさ、子供喜ぶかな?


被告人「……」


裁判長(声を荒げて)「あのねえ!!親が子供に本当におしえるべきことってさあ、生きるということの尊さであり、生きる意味であり、幸せの本当の意味とかなんじゃないの!? 学歴なんかねえ、そんなもの二の次なんだよ!! あなたねえ!人が羨むような大学出てねえ、その結果がこれなんだよ!!!」 


被告人「(涙、涙…)」



裁判長「だいたい最近ねえ、学歴とか年収とかそういうことばっかり世の中で宣伝されてるからこういうことになるんだよ!!!


これは裁判長が個人的に社会に言いたいことであってこの場で言うことではない(笑)



休廷後、即決で判決言い渡しだったが、カオリンドキドキの傍聴券抽選があったので途中で抜けてしまった。(抽選は落選…)



判決が気になる。
まあ執行猶予付きが妥当なところだろうが、僕は執行猶予なしを望む。
裁判官も言っていたが、被害者が受ける精神的ショックはかなりのものなのだ。
僕も学生時代、寝ている間に窃盗に入られたことがあるのだが、そのときの夢を今だに何回も見る。


まして今回のケースは被害者が信頼していた知人であり、子供の『先生』なのだから。

自動車運転過失致死。

ヤバい、傍聴マニアになりつつある…


今日は障害、覚せい剤取締法違反、児童ポルノ・児童買春、自動車運転過失致死傷罪を傍聴。
バラエティに富んだラインナップだ。

殺人・死体遺棄・死体損壊と傍聴マニアの言う「裁判の華」3拍子そろってパンチのきいた三橋歌織タソの審理もあったが傍聴券の配布がもう終わっていた。





印象深かったのが自動車運転過失致死傷罪の裁判だ。


被告人は50歳くらいの大型トラックドライバー。
仕事で運転中に一瞬の脇見をしたがために、午前5時半ころ横断歩道を横断中だった女性(23)をはねて死亡させた。


被告人の印象は、「優しいお父さん」という好印象。
顔や物腰から本当に誠実な感じだ。
証言台へ向かうときは検察側はもちろん傍聴席にまで一礼をする礼儀正しさ。


話を聞くと、やはり見た目の通り。
事故を起こすまで危険な運転はおろか、無事故無違反、優秀なドライバーとして会社から表彰までされた人だった。まさに職業ドライバーの鏡だったのだ。


そんな誠実な人が一瞬の脇見のために今この法廷にいる。





今日は判決公判なので即判決言い渡し。





裁判官「では判決を言い渡します。主文、被告人を禁固2年に処する。       以上です。つまり実刑判決ということです。」



まっすぐ前を見て話を聞き続ける被告人。



裁判官
続いて判決理由を述べます。(中略)

証言にあったように、被害者の女性(23)は北海道から上京して東京で働いていました。休みがとれると必ず北海道の両親の元へ帰り、母親も頻繁に東京の娘を訪れるなど、とても仲の良い親子関係です。
事故当日も母親が娘のアパートに泊まっていました。
『部屋着を借して』という母親のために、被害者は自分の服をまだ寝ている母親の枕元にたたんで置くと、朝のウォーキングに出かけた。

そして横断歩道を横断中に、被告人の運転するトラックにはねられました。
被告人は『何かがぶつかった』という感触があったにも関わらず、その後数十メートル走り続け、結果、女性をトラック下部に巻き込み、さらに後輪で頭を踏み潰すという残酷な状態で即死させた。文字通り変わり果てた優しい娘と対面したときの母親の気持ちは我々の想像を絶します。被告人が優良な職業ドライバーであったことや猛反省していることを考慮したとしても、二度と帰らない命を考えれば、実刑をもって臨む他はありません。



“あなたが脇見をしたのは一瞬ですが、その一瞬でかけがいのない命が消え、
そして一生悲しみ続けなければならない人たちがいます” 













裁判官の最後の一言に、シビレタ…
交通事故防止のポスターにでも使いたい言葉だ。

審理は聞けなかったが、家族の証言などは法廷中が涙、涙だったろうな…



北尾トロ氏も本の中で書いていたが、自動車教習所では事故のビデオよりも、人をひき殺した人間の裁判ビデオでも見せたらいいのだ。
遺族の手紙朗読とか、修羅場を一部始終全部見せる。


そしたら飲酒運転とか脇見は絶対できないから。