皮膚は第二の脳、筋膜は第二の骨格ともいわれている。それをわれわれは長い間、無視して施術を続けてきた。
それには理由がある。解剖学上で考慮するならば、存在性の希薄さがその存在を見失わせたのだ。
そして我々は、見立てが安易な、骨を体の中心にあることから骨格と名付け、手触りの確かさから機能の中心にこの骨というものを位置づけるにいたった。
背骨、骨盤、頭蓋骨など、触覚にて実に解りやすい存在感を示し、体の輪郭に乱れがあると見受ければ、それを骨格の歪みであると解釈した。
それは実に解りやすい判断で、誰もが納得するものであった。
昨今注目を浴びている皮膚や筋膜は１つには概念として解りにくいということ。もう一つ言うには、病理が見つけにくいということで想像上のアプローチに終始してしまうということが問題点である。
骨が歪んだ状態が続くのは、継続する外力を取り除いた場合、それを元へ戻す機構が働いていないがためであり、それを感じ取る機能が鋭敏さを欠いているという証でもある。
皮膚が感じ取り、筋膜が元へ戻す。この二つの機能は、体表面の皮膚と筋膜が「伸びている」ところと「薄くなっている」ところがあるので機能が低下させられている。
キネシオテーピング、スラッキング療法の開発者Dr.Kaseは良好な機能を持つ皮膚、筋膜に対して、「フワッとしている」という表現を用いて言い表していた。 岡根
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