カメラのはなし(パート21) | ニッコールのおきらくブログ

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鉄道に航空機、そして偶にジャンク紹介...
投稿ペースはまちまちですので気長にお待ちください。

 

 

どうも、NIKKORです。

 

今回は久しぶりの「カメラのはなし」です。

 

ずっと寝かしていたあのカメラについて書いていこうと思います…

 

それでは早速見ていきましょう。

 

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  Nikon D60
+AF-S DX NIKKOR 18‐55㎜F3.5‐5.6G VR

(画像:ニコンイメージング)

今回手に入れたのは、ニコンより2008年2月22日に発売されたエントリー向けデジタル一眼レフカメラ「Nikon D60」です。

 

前機種Nikon D40xの登場から僅か1年半後の登場とあって、D40xとの変化点は殆どないです。

そんな中でも変化点を挙げるとすると…

 

・イメージセンサークリーニング機能搭載

・アクティブD‐ライティング搭載

・キットレンズにVR(光学式手振れ補正)塔載

 

位でしょう。

 

デジタル一眼レフカメラ D60

ーー優しい高性能が
    豊かな表現力の扉を開くーー

ーー誰もが簡単に楽しめる高性能と高画質の世界最小。

ニコンデジタル一眼レフカメラD60ーー

 

<主なスペック>

・型式

レンズ交換式一眼レフレックスタイプデジタルカメラ

・マウント

Nikon Fマウント

・イメージセンサ(有効画素数)

Nikon DXフォーマット 原色CCDセンサー

(有効1020万画素)

・シャッタースピード

1/4000秒

・ISO感度

ISO100~1600+Hi1(ISO3200相当)

(1段ステップ)感度自動制御機能付き

・記録メディア

SD、SDHCカード

・ファインダ

アイレベル式ペンタミラー使用一眼レフレックス式ファインダー
視野率…約95% 視度調節機能…約-1.7~+0.5m-1
倍率…約0.8倍(50mmF1.4・∞

・AF

TTL位相差検出方式
(フォーカスポイント3点)

・レリーズモード

単写、連写、セルフタイマー、リモコン

連写→3コマ/秒

 

スペックは本当に最低限…

2008年当時はまぁこんなものでしょう。

 

 

  購入品

今回の個体は、毎度おなじみハードオフ横浜市ヶ尾店にてリユース品を11,000円で購入しました。

 

外観はほぼ使用感がなく物凄くキレイな個体です…

 

一応値札には「キズ・ヨゴレ」と明記されていましたが、正直信じられないくらいです。

 

 

 

……余談ですが、この個体に入ったままにしてあったSDカードの中身を失礼ながら拝見させてもらったところ、前オーナーはどうやら航空機ファンだったそうで、フォルダには当時まだまだ現役だったB747-400や、政府専用機仕様のB747などなかなか貴重な写真があったのでびっくりしました。

 

うらやましい…

 

 

 

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閑話休題

 

外観

外観は先ほども言った通り使用感がなく非常にきれいです。

 

 

液晶にもフィルムが貼ってあり、はがすとキズ・スレ等一つもない液晶がお目見え…

 

 

地味に面白い機能、中身のジャイロセンサーを使って縦写時は表示も縦になるという仕様付き…

 

 

キットレンズは前機種D40xでは「AF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G ED II」でしたが、D60はVR(光学式手振れ補正)塔載の「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」が付属。

 

VR機能搭載なので、手にもって動かすと若干ゴトゴトとVR補正が働いている振動が手に伝わってきます。

 

 

 

  試し撮り

1ヶ月近くミッチリ撮影して作例を作ってきました。

まずは鉄道中心の作例を紹介…

 

 

Nikon D60+SIGMA APO 50-500mm F4-6.3 EX DG/HSM

f/5.6  1/320  ISO800  晴れ WB:AUTO  露出補正:±0段

焦点距離:116㎜(35㎜換算:174㎜)仕上がり設定:鮮やか 

まず最初の作例は、六浦駅で撮った600形。

やはりCCD特有のこってりとした色遣いが全面に出ています。

仕上がり設定は「鮮やか」設定ですが、これは正直濃すぎますね。
特に車両正面の赤い部分、塗ったくったような濃い赤色が出ているいます。

また奥に見える架線柱も赤み掛かっているので、疑いようがありません。

 

 

Nikon D60+SIGMA APO 50-500mm F4-6.3 EX DG/HSM

f/5.6  1/160  ISO800  晴れ WB:AUTO  露出補正:+0.7段

焦点距離:116㎜(35㎜換算:174㎜)仕上がり設定:より鮮やか

「鮮やか」設定があれだったのでもう一段強い「より鮮やか」で撮ったらどんなものになるのかとシャッターを切ってみましたが、案の定真っ赤っか…w

高感度に弱く多少ノイズが乗ってるとはいえ、これはしつこい画作りですね。

 

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<仕上がり設定ごとの色味の比較>

「標準」「ソフト」「鮮やか」「より鮮やか」で検証

※撮影条件※

・使用レンズは「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」

テレ端55mm(35mm換算で82.5mm)ISO1600、1/40、露出補正+0.3ステップ、ホワイトバランスAUTOで撮影。

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<標準>

まずは標準設定…この時点で個人的には割と濃い方だと思っていますが、とりあえず今後はこれを基準に比較していきます。

 

<ソフト>

仕上がり設定:ソフトでの撮影。

赤色は少々薄くなり、黒の輪郭線も薄く消えかかっている状態になりました。個人的にこれが一番人間の目に近い感じだと思いますね。

 

<鮮やか>

仕上がり設定:鮮やかでの撮影。

ソフト設定から赤色系統の色だけが増幅された感じの色使いですね。これはこれで色がはっきりしてていいかも

 

<より鮮やか>

最後に仕上がり設定:より鮮やかで撮影。

先ほどよりもさらに赤みが強まり、黒色などほかの色彩も濃くなったように見えます。通りでしつこい画作りだと感じるわけですね。

 

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<人肌の色合いの比較>

一応人肌の色も見てみましょう。

今回はキタちゃんのフィギュアをサンプルとしておいてみました。

 

比較対象がこれくらいしかなかったのでどうかお許しを…

 

 

(画像:ウマ娘ポータル)

それにしても…キタサンブラックの肌はだいぶ色白ですよね。THE・日本の女性というかなんというか…まぁそこら辺がどう仕上がりに影響してくるのかも気になるところです。

 

 

<標準>

まず最初は仕上がり設定:標準から…

先ほどと設定数値は変えておりません、またムラが出ないようにフラッシュは炊かずに撮影しています。

フォーカスポイントがキタちゃんの顔ど真ん中になるようにして撮影…

 

<ソフト>

仕上がり設定:ソフトでの撮影。

先ほどよりも明らかに白が強調され、また黒い髪や赤い髪飾りも若干色が抜けています。

さっきのBトレの空き箱より変化が分かりやすいかもしれませんね…

 

<鮮やか>

仕上がり設定:鮮やかでの撮影ですが…

これはソフトとの差が激しいですね。

黒髪はしっかりと黒黒しくなって、髪飾りも赤みを取り戻しています。

 

肌の白さはあんまり変わらないためか、肌の色と髪の色でコントラストが大きくなっています。

コントラストが大きくなると輪郭がつかみやすくなるので、これはこれでありかもしれません。

 

<より鮮やか>

仕上がり設定:より鮮やかですが、これは濃すぎますね。

黒髪は黒く発色しすぎてつぶれてしまってますし、髪飾りの赤の発色も不自然な気がします。

これは鮮やか設定までに抑えたい所…

 

 

結論、正直色の見え方なんて十人十色なんで「これが正解」というものはないですが、個人的には「鮮やか」と「ソフト」を使い分けるのが最適解かなと感じました。

 

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Nikon D60+SIGMA APO 50-500mm F4-6.3 EX DG/HSM

f/6.3  1/400  ISO400  晴れ WB:AUTO  露出補正:+0.7段

焦点距離:165㎜(35㎜換算:247㎜)仕上がり設定:鮮やか

さて、鉄道作例に戻りまして…

改正前ギリギリに撮った713Cの特急羽田空港行き。

 

AFの精度についてはまぁ普通…可もなく不可もなくといった印象ですが、如何せんフォーカスポイントが3点しかなく、構図に制約が出るのが何とももどかしいところですね。

 

せめてD70みたいに5点…欲を言えばD80レベルの11点AFとかだったらうれしいなと思いますが、まぁこの当時を考えれば高望みしすぎかもしれません…

 

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<高感度ノイズ>

続いては高感度ノイズの比較。

と言ってもISO1600までしか上げられない時点で高感度性能はたかが知れてますが…

 

 

<ISO200>

Nikon D60+SIGMA APO 50-500mm F4-6.3 EX DG/HSM

f/8  1/400  ISO200  晴れ WB:AUTO  露出補正:‐0.3段

焦点距離:320㎜(35㎜換算:480㎜)仕上がり設定:鮮やか

まずは低感度ISO200…ノイズはほぼなく発色もしっかりとしています。

 

 

<ISO1600>

Nikon D60+SIGMA APO 50-500mm F4-6.3 EX DG/HSM

f/6.3  1/320  ISO1600  晴れ WB:AUTO  露出補正:+0.7段

焦点距離:230㎜(35㎜換算:345㎜)仕上がり設定:鮮やか

続いて常用最高感度のISO1600ですが…

まぁこれは使えたものじゃありませんね。

全体的にザラツキが出てるのは勿論のこと、少々発色がおかしく輪郭ものっぺりとして写りが甘いです。

 

 

<ISO Hi1 ※ISO3200相当

Nikon D60+SIGMA APO 50-500mm F4-6.3 EX DG/HSM

f/6.3  1/320  ISO Hi1  晴れ WB:AUTO  露出補正:+0.7段

焦点距離:230㎜(35㎜換算:345㎜)仕上がり設定:鮮やか

拡張最高ISO Hi1(ISO3200相当)までくるともはや輪郭というものは消え去り油絵チックな仕上がりになります。

 

個人的には通常はISO400まで、高くてもISO800までに抑えて使いたいなと感じました。

 

 

Nikon D60+SIGMA APO 50-500mm F4-6.3 EX DG/HSM

f/4  1/60  ISO Hi1  晴れ WB:AUTO  露出補正:+0.7段

焦点距離:50㎜(35㎜換算:75㎜)仕上がり設定:鮮やか

これなんてひどいですよ…w
もはや何が何だかわからないレベルですね。

 

 

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<その他作例>

Nikon D60+AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

f/4.2  1/60  ISO800  晴れ WB:AUTO  露出補正:+0.3段

焦点距離:24㎜(35㎜換算:36㎜)仕上がり設定:鮮やか

道端に咲いていた寒椿。

こういうスナップ系とD60との相性は良さげですね…

 

 

Nikon D60+AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

f/6.3  1/160  ISO200  晴れ WB:AUTO  露出補正:‐0.3段

焦点距離:48㎜(35㎜換算:72㎜)仕上がり設定:鮮やか

駅を飾る街頭に焦点を当て撮影…

黒い部分のノイズも少なく優秀です。

 

 

Nikon D60+AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

f/36  ”10  ISO100  晴れ WB:AUTO  露出補正:‐0.3段

焦点距離:40㎜(35㎜換算:60㎜)仕上がり設定:鮮やか

長時間露光の作例。

と言っても手持ちなので所々光線がガタガタになっていますがなにとぞご容赦を…

D60にはバルブ機能が無いのでシャッタースピードを1秒以上にすることで代用しています。

 

 

Nikon D60+AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

f/13  ”10  ISO100  晴れ WB:AUTO  露出補正:‐0.7段

焦点距離:52㎜(35㎜換算:70㎜)仕上がり設定:鮮やか

お次も長時間露光の作品…

やっぱ三脚持ってきて撮るべきでしたね。

 

 

 

 

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  総評

さて、長々と語ってまいりましたが、そろそろ総評と行きたいと思います。

 

<良かった点>

・圧倒的持ちやすさと軽さ

→ボディーは495gとさすが当時世界最小最軽量を謳うだけのカメラですね。EN-EL9とAF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRを取り付けた状態でも約800グラムほど…

こりゃ軽いわ

・低消費電力

→公式では何枚撮影可なのかは公表されてないっぽいですが、ざっと1000枚近くは余裕で撮れそうなタフなバッテリー。

旅先でも充電要らずですね。

・仕上がり設定の豊富さ

→描画の癖は確かにあるけど、それはそれで味があって楽しかったと感じました。

 

 

<残念だった点>

・低感度に頗る弱い

→前述したとおり、高感度はかなり弱いです。まぁ年代が年代ってのもありますが、そこら辺もうちょっと力入れてほしかったなと思います。

・メモリバッファが少ない

→これは明言していませんでしたが、メモリバッファが少ないのが何とも微妙に感じました。

自分は基本的になんでもRAWで撮影するのですが、RAWで撮影するとバッファが3コマ程度で頭打ちとなってしまいすごく不便でした。

バッファが少ないだけならまだしも、データの書き込みも遅く1枚書き込むのに5秒近く待たされるので、快適…とはいいがたいです。

・AF点が3点は少なすぎる

→これも廉価グレードの宿命…というかなんというか。

D60が出るひと月前に発売されたミドル機種のD80は、11点測距なので、せめてD60も5点くらいあれば申し分ないかなと思いましたが、現実はそうは甘くないようです。

3点水平の測距点だと、上側や下側の被写体に対応できないので、構図が制限されてしまいます。

まぁ制限された構図の中でどれだけいいものを撮るのかって言う考えでやればいいのかもしれませんが…まぁ…ねぇ?((汗

 

 

とこんな感じで僕が使ってみて感じたことをあらかた羅列しておきました。

 

毎度悪いところばっか目立ってる気がしなくもないですが…

 

まぁ2008年のエントリーモデルにブーブーいうのもお門違いな話ですが、でもこの見た目とデザインに何よりCCD特有の癖のある描写…使ってて楽しい一台であることは確かですので、皆さんも中古屋で見かけからぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか…?

 

 

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  あとがき

さて、約5800字をかけて長々とレビューしてみましたがいかがでしたでしょうか?

 

時間が足りなかったり検証不足等もあったので、中々至らない点もあるかと思いますが、どうかご容赦を。

 

今回、初めて長期使用レビューなるものをやってみましたが、案外いいものですね。

使えば使うほどこの製品の良し悪しやらが分かってきますし、何しろ愛着がわきますから…

 

今後も面白そうなカメラを見つけたら、こんな風に長期使用レビューをしてみるのもいいかもしれません。

 

 

それでは今回はこの辺で、ここまでご覧いただきありがとうございました。

また次回の更新をお楽しみに…

 

 

  今回紹介したNikon D60の詳細

D60 - デジタル一眼レフカメラ | ニコンイメージング (nikon-image.com)

 

 

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 追記

2023.2.16 18:26

誤字修正、一部装飾の修正を行いました。

 

2023.11.4 21:12
誤字を修正しました。