嵐の夜に。 | 裏版・おたっきーの好きな言葉は「前へ」です

裏版・おたっきーの好きな言葉は「前へ」です

明大ラグビー・千葉ロッテマリーンズを追いかける、おたっきーブログの裏版です。

日々の喜怒哀楽をここに書き綴りたいと思います。

ちなみに現在の裏版の管理人は、表版の管理人ではありません(笑)

8月29日。

豪雨でダイヤの乱れている田園都市線。

断続的な雷が、夜の町を薄紫色に浮かび上がらせる。

車窓をたたきつけては流れ落ちる雨粒が、窓ガラスとサッシの隙間から噴き出し座席に小さなシミを作る。

完ペキに密閉されているわけではないのだ。

思わぬ発見をしながら、ぎゅうぎゅうの車内でその光景を眺めていた。


その時。隣の吊り革につかまっていた初老の男性が、背中に立っていた老婆に声をかけた。

「場所変わりましょうか。こちらの方が、いくらか楽です」


背の低い老婆は目を見開き、まあ、そんな、と手を顔の前で振った。

「ありがとうございます。ご親切にどうも・・・」

髪をなでつけながら、何度もお礼を言った。


再び沈黙の車内。

窓に映る2人の姿は、雨で洗われては消え、また現れ・・・。

ぼやけたモノクロのスクリーンの中の2人は、10も20も若く見え、私は勝手なロマンスをいつまでも空想し続けていた。