飲食店の利益が残らない時、

「原価率が高いから下げよう」

と考えることがあります。

しかし、私はいきなり食材の質を落としたり、仕入先を変更したりすることはおすすめしません。

原価率が高くなっている原因を特定しないまま原価を削ると、お客様が感じる商品の価値まで下げてしまう可能性があるからです。

まず確認したいのは、次の5つです。

1.仕入価格は変わっていないか

同じ商品を同じ量販売していても、仕入価格が上がれば当然原価率は上昇します。

特に飲食店では、食材価格の変動を完全に避けることはできません。

重要なのは、値上がりしていることを把握したまま放置しないことです。

仕入価格が変わった時点で、販売価格や使用量を含めて見直す必要があります。

2.レシピ通りの量で提供されているか

例えば、本来100グラム使用する食材をスタッフによって110グラム使っていたとします。

1食ではわずか10グラムです。

しかし、1日100食なら1キロ。

30日続けば30キロの差になります。

「少しくらい」は、店舗数や販売数が増えるほど大きな金額になります。

だからこそ、レシピだけではなく実際の提供量を確認することが重要です。

3.廃棄がどれくらい発生しているか

仕入れた食材をすべて販売できるわけではありません。

仕込み過ぎ。

発注過多。

消費期限切れ。

作り間違い。

こうした廃棄も、すべて原価です。

売れていない商品を大量に仕込んでいないか。

曜日ごとの販売数に合わせて発注できているか。

廃棄量を記録するだけでも、改善ポイントが見えてきます。

4.サービス提供が増えていないか

少量だからと無料で追加する。

常連のお客様だからサービスする。

スタッフ判断で量を増やす。

一つひとつは小さな金額でも、積み重なれば原価率に影響します。

サービスを禁止するという意味ではありません。

店舗として「どこまでサービスするのか」を決めておくことが大切です。

5.商品の価格設定は適正か

仕入価格が上がり続けているのに、何年も販売価格を変えていない店舗もあります。

努力だけで吸収できるコストには限界があります。

商品価値を維持するために価格改定が必要な場合もあります。

100円値上げすることを恐れて、商品の品質を下げてしまえば、結果としてお客様を失う可能性もあります。

原価改善は「削ること」ではありません

原価率を改善すると聞くと、

安い食材へ変更する。

量を減らす。

仕入先を変える。

と考えがちです。

しかし、その前に確認できることはたくさんあります。

仕入価格。

使用量。

廃棄。

サービス提供。

価格設定。

この5つを確認してから改善策を決める。

それだけでも、商品の価値を落とさずに利益を改善できる可能性があります。

飲食店の原価管理で重要なのは、数字を下げることではありません。

お客様が感じる価値を守りながら、無駄になっている原価を見つけることです。

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この記事は株式会社KSYが、飲食店経営・フランチャイズ本部運営・多店舗展開支援など、国内外200店舗以上の現場で培った経験をもとに執筆しています。

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