・・・退院し、帰りの駅のキヨスクで
ワンカップを飲み、救急車で病院へ戻った人の
話を聞き、
僕は「凄い( ̄ー ̄;最短での再入院ですね」と言った。
すると他の先輩が「最短ならもっと早いのがいたよ」
・・と言う。
その先輩は続けて
「俺も、ここ三度目だから人の事を言えないけど...。
その人は退院日、家族が1階で会計を済ませていた時、
外の空気を吸って来ると言い、一時間後、
ヨレヨレになって受け付けに戻ってきたんだ。
・・コンビニで一杯やっつけて来たんだナ」
・・会計の待ち時間は1時間位。
その人は、奥さんと娘さんに両脇をしっかり押さえられ、
その場で再入院12週間コースとなり。
まずは反省室(VIPルーム)へ直行となった。
・・・更に僕が聞いた、最強のエピソードは、
かなり昔の事らしいが、入院して2週間以上経つと、
外出許可が出される。
親しくなった患者の中で誰かが口走ったのだろう。
「面白いなぁ..ここで酒が入ったらもっと盛り上がるだろうなぁ」
・・・と。
普通、それは話だけで終わるのだが、1人が考えた。
酒の院内持ち込みは強制退院となるし、この病棟は
ナースステーションしか出入り口が無いので、
荷物チェックをされ、院内持ち込みは不可能..。
・・計画は、院内に残った者が
廊下の一番奥、ここは死角にになっている、
そして、ほとんど人が寄り付つく理由も無い場所だ。
そこの窓から院内残留組がヒモを垂らし、
外出した者が1階外からヒモに酒を結んで、
どんどん引き上げて行ったらしい。
(病棟は3階)・・知能犯である。
酒宴を行ったのは、病室の一部屋だったようだ。
・・・最初の30分から1時間位は大盛り上がり
だったようだが抗酒剤のせいで、その後は嘔吐物だらけ、
苦悶する人達..。惨憺たる光景だったらしい。
当然、酒盛り組は全員強制退院。
病院は3日間、閉院したという。
-----------------------------------
別の話になるが、喫煙室で雑談をしていたら、
トイ面の青年が話しかけて来た。
話の内容は覚えていない。
見た目の印象が、あまりにも強かったので..。
・・青年は20代後半位か..。
かなり痩せている。身長170cm位は
あるだろうが、体重50㎏を切っているだろう..。
顔色は真っ青で、目がウツロな感じだった。
白目が黄色く黄疸が出ている。前歯のほとんどが
虫歯で黒い。
指は、かなり大きく震えていて、タバコ
一本取るのにも難儀しているようだった。
そしてどうでもいい事を聞いて来て、
3秒位沈黙し、それからニマ~っと笑い、
黒い歯がムキ出しになる。
・・奇行の持ち主で、食事時間になると、
食事している誰かの後ろでボーっと立っている。
自分の食事トレイを差し出し
「僕、食欲が無いので僕のも食べてくれませんか?」
・・・と言っていた。
差し出された人達は「食えないなら看護師に返して来い!」
と言っていた。
彼のあだ名は「ヤンデルセン」
また、喫煙室にいる時、誰か次の話題を始めた。
「入院前、大量飲酒が続くと酒も飯も水さえも
飲み込めなくなって、吐き気だけが残るのがシンドイよね~」
皆「うんうん、あるある。胃液の酸っぱいのが込み上げて来て、
一晩に何十回もトイレに行くけど、出すものがないから地獄だよネ」
みたいなやり取りをしていた。
そこへ、ヤンデルセンが割って入って来た。
「そうゆう時はウォッカとか強い酒を胃に直接流し込むんです。
2回ぐらい吐きますが、最後に緑っぽい液体が出てくると、
、
飲む事ができますよ。」・・と言う。
要するに、胃腸が「これ以上飲んだら責任モテないよ」と、
拒否反応を示しているのだが、
その機能すら酒で麻痺させるのだ。
ギェ~!壮絶( ゚Д゚) そんなの毎日続けていたら、
本当に死ぬ( ̄ー ̄;
この病棟にいる人の7割は必死で断酒を覚悟している。
その人から見るとヤンデルセンは、忌み嫌われていた。
・・もっとも僕も自分の意志で入院した訳ではなかったので、
当時の本音を言えば、退院したら、どうにか工夫して
禁酒段階(たまに適度に飲む)で抑えられないかと甘く考えていた。
数日後、喫煙室で雑談をしていると、
看護師たちがバタバタ騒がしくしている。
リピーターの患者さんは
「お!誰か、強制退院だな」と言う。
1人が喫煙室に入ってきて、
「ヤンデルセン、酒の院内持ち込みで強制退院だってさ」
・・・と行ってきた。
どうやらナースステーション通過時に
パンツの中へ2カップ二つ隠し持っていたらしい。
(ヤンデルセンは入院二週目が過ぎていたので、
1時間位の外出は許可されていた。)
チェックではバレなかったが、病室内では
酒臭いのですぐにバレる。
(普通に考えればワカル事だ( ̄_ ̄ i
・・誰かが報告し、病院側がヤンデルセンの
ロッカーチェックをして
ワンカップを見つけられたらしい。
・・強制退院は嵐のように素早さで、
院外へ所持品を全て出され、本人も出される。
病院は次の病院へ紹介状を書くこともなく
本人を玄関から出したら病院とは無関係の人間としての
対応を取る。
それにしても、院内持ち込み発覚から、
強制退院迄、電光石火のようなスバヤサ・
手際良さだった。
・・最初に「お!誰か、強制退院だな」と言った人は、
「やっぱり」と平然としていた。
特別珍しい出来事ではないらしい。


ワンカップを飲み、救急車で病院へ戻った人の
話を聞き、
僕は「凄い( ̄ー ̄;最短での再入院ですね」と言った。
すると他の先輩が「最短ならもっと早いのがいたよ」
・・と言う。
その先輩は続けて
「俺も、ここ三度目だから人の事を言えないけど...。
その人は退院日、家族が1階で会計を済ませていた時、
外の空気を吸って来ると言い、一時間後、
ヨレヨレになって受け付けに戻ってきたんだ。
・・コンビニで一杯やっつけて来たんだナ」
・・会計の待ち時間は1時間位。
その人は、奥さんと娘さんに両脇をしっかり押さえられ、
その場で再入院12週間コースとなり。
まずは反省室(VIPルーム)へ直行となった。
・・・更に僕が聞いた、最強のエピソードは、
かなり昔の事らしいが、入院して2週間以上経つと、
外出許可が出される。
親しくなった患者の中で誰かが口走ったのだろう。
「面白いなぁ..ここで酒が入ったらもっと盛り上がるだろうなぁ」
・・・と。
普通、それは話だけで終わるのだが、1人が考えた。
酒の院内持ち込みは強制退院となるし、この病棟は
ナースステーションしか出入り口が無いので、
荷物チェックをされ、院内持ち込みは不可能..。
・・計画は、院内に残った者が
廊下の一番奥、ここは死角にになっている、
そして、ほとんど人が寄り付つく理由も無い場所だ。
そこの窓から院内残留組がヒモを垂らし、
外出した者が1階外からヒモに酒を結んで、
どんどん引き上げて行ったらしい。
(病棟は3階)・・知能犯である。
酒宴を行ったのは、病室の一部屋だったようだ。
・・・最初の30分から1時間位は大盛り上がり
だったようだが抗酒剤のせいで、その後は嘔吐物だらけ、
苦悶する人達..。惨憺たる光景だったらしい。
当然、酒盛り組は全員強制退院。
病院は3日間、閉院したという。
-----------------------------------
別の話になるが、喫煙室で雑談をしていたら、
トイ面の青年が話しかけて来た。
話の内容は覚えていない。
見た目の印象が、あまりにも強かったので..。
・・青年は20代後半位か..。
かなり痩せている。身長170cm位は
あるだろうが、体重50㎏を切っているだろう..。
顔色は真っ青で、目がウツロな感じだった。
白目が黄色く黄疸が出ている。前歯のほとんどが
虫歯で黒い。
指は、かなり大きく震えていて、タバコ
一本取るのにも難儀しているようだった。
そしてどうでもいい事を聞いて来て、
3秒位沈黙し、それからニマ~っと笑い、
黒い歯がムキ出しになる。
・・奇行の持ち主で、食事時間になると、
食事している誰かの後ろでボーっと立っている。
自分の食事トレイを差し出し
「僕、食欲が無いので僕のも食べてくれませんか?」
・・・と言っていた。
差し出された人達は「食えないなら看護師に返して来い!」
と言っていた。
彼のあだ名は「ヤンデルセン」
また、喫煙室にいる時、誰か次の話題を始めた。
「入院前、大量飲酒が続くと酒も飯も水さえも
飲み込めなくなって、吐き気だけが残るのがシンドイよね~」
皆「うんうん、あるある。胃液の酸っぱいのが込み上げて来て、
一晩に何十回もトイレに行くけど、出すものがないから地獄だよネ」
みたいなやり取りをしていた。
そこへ、ヤンデルセンが割って入って来た。
「そうゆう時はウォッカとか強い酒を胃に直接流し込むんです。
2回ぐらい吐きますが、最後に緑っぽい液体が出てくると、
、
飲む事ができますよ。」・・と言う。
要するに、胃腸が「これ以上飲んだら責任モテないよ」と、
拒否反応を示しているのだが、
その機能すら酒で麻痺させるのだ。
ギェ~!壮絶( ゚Д゚) そんなの毎日続けていたら、
本当に死ぬ( ̄ー ̄;
この病棟にいる人の7割は必死で断酒を覚悟している。
その人から見るとヤンデルセンは、忌み嫌われていた。
・・もっとも僕も自分の意志で入院した訳ではなかったので、
当時の本音を言えば、退院したら、どうにか工夫して
禁酒段階(たまに適度に飲む)で抑えられないかと甘く考えていた。
数日後、喫煙室で雑談をしていると、
看護師たちがバタバタ騒がしくしている。
リピーターの患者さんは
「お!誰か、強制退院だな」と言う。
1人が喫煙室に入ってきて、
「ヤンデルセン、酒の院内持ち込みで強制退院だってさ」
・・・と行ってきた。
どうやらナースステーション通過時に
パンツの中へ2カップ二つ隠し持っていたらしい。
(ヤンデルセンは入院二週目が過ぎていたので、
1時間位の外出は許可されていた。)
チェックではバレなかったが、病室内では
酒臭いのですぐにバレる。
(普通に考えればワカル事だ( ̄_ ̄ i
・・誰かが報告し、病院側がヤンデルセンの
ロッカーチェックをして
ワンカップを見つけられたらしい。
・・強制退院は嵐のように素早さで、
院外へ所持品を全て出され、本人も出される。
病院は次の病院へ紹介状を書くこともなく
本人を玄関から出したら病院とは無関係の人間としての
対応を取る。
それにしても、院内持ち込み発覚から、
強制退院迄、電光石火のようなスバヤサ・
手際良さだった。
・・最初に「お!誰か、強制退院だな」と言った人は、
「やっぱり」と平然としていた。
特別珍しい出来事ではないらしい。

