とても暑い日が続いた年、夏の間に山のように咲いた朝顔。

 

小学校低学年の頃以来、育てたことがなかったので、とても久しぶりに、しかもかつてとは違う大人目線で種を植えることにしてみたのです。

 

15個の選ばれし種。

肥料もしっかりやり、広めの間隔をとって植えてみました。

 

 

 

しばらくすると全ての種から双葉が出てきました。

 

久しぶりー。

 

朝顔の双葉が出てきたのを見てドキドキするなんて、子供の頃に戻ったような奇妙な感覚です。

 

 

 

その後も照りつける太陽と、良い間隔で降る雨のお陰で、蔓がどんどん伸びて沢山の大きな葉を広げ、数えきれないほどの花が咲きました。

 

 

 

 

あまりに強く照りつける日射しに、メラニン色素が増え黒くなってしまった葉もありましたが、それでも風に揺れる姿はとても涼しげで、日本らしい夏の風情を感じさせてくれたのでした。

 

朝顔は、奈良時代の9世紀頃、遣唐使によって薬として日本にもたらされたという説があります。

種子を粉末にして下剤や利尿剤などに使っていたようなのですが、毒性も強いので不用意に口に入れたりはしないほうが良いですね。

 

薬として伝わったらしい朝顔ですが、日本ではその美しさが人気の的に。

平安時代になると源氏物語にも登場し、江戸時代には様々な品種開発が行われて日本の風物詩となっていきます。

 

最近では繁殖力の強い朝顔が増えすぎて困るという話を聞くことがありますが、これは宿根朝顔、多年草で種は出来ません。

芋で越冬して翌年またそこから芽を出すので、そのままにしておくとどんどん増えてしまいます。

緑のカーテンに使われることが多く、花もよく似ていますが従来の朝顔とは全く異なるものです。

 

鮮やかなブルーの花を一つの花茎から複数咲かせる西洋朝顔もあります。

こちらは一年草なのですが、原産地である中南米などの熱帯では複数年に亘り花を咲かせることもあるようです。

秋にさしかかり日照時間が減り始めると花が咲き始めます。

種も出来ますが、この種はアステカなどの古代文明社会で幻覚剤として使われていたようですので、こちらも不用意に口に入れたりはしないほうが良いです。

 

 

 

やはり日本らしさを感じるのは従来の朝顔ですが、見分け方は簡単。

葉や茎に細かい毛が生えています。

 

そして、ほぼ全ての花から種が出来ます。

 

それにしても、一本の朝顔からどれくらいの数の種が出来るのでしょうか。

これまで一度も確かめたことがありません。

 

そこで、夏の間、毎日無数に咲いていた花から出来た種をほぼ全て集め、数えてみました。

 

 

 

その結果は、なんと9,000個!!

 

 

 

 

数えるの疲れました…

 

実際には取りきれずに風で飛ばされてしまったものもあるので、さらに多いことになります。

 

15個の種から育った15本の朝顔から9,000個の種が出来たということは、一本あたりから600個の種が取れたことになります。

 

ひとつの花から5個の種が出来たとすると、一本の朝顔に120輪の花が咲いたということ。

 

ひと夏の間に1,800輪もの花が咲いたんですね。

凄いです。

 

 

 

それにしても、この9,000個の種、どうしたら良いのでしょうか。

 

一つの種が一年で600倍に増えるということは、5年の間、全ての種を植え続けたとすると…

600倍の5乗=77,760,000,000,000倍に増えてしまうことになります。

77兆7,600億倍です!

 

15個の種からスタートすると、1,166兆4,000億個の種になってしまいます!!

咲く花の数は、233兆2,800億輪!!

 

7月から9月までの3ヶ月をかけて咲いたとしても、一日に25兆3,565億輪も咲いてしまうことになってしまいますが…