鍼灸師として長年、さまざまな症状を抱える方を診てきて、強く感じていることがあります。
それは、健康と「食」は切り離して考えられないということです。
身体に不調が出ると、多くの方はまず「どうすれば治るのか」「何をすれば良くなるのか」を考えます。
もちろん治療は大切です。
でも私は、その前に一度、
「毎日、何を食べていますか?」
と考えてほしいと思っています。
私たちの身体は、日々食べているものから作られています。
ところが実際には、
「何を食べれば身体を整えられるのか」
「反対に、何を摂りすぎると身体に負担になるのか」
こうしたことを学校で詳しく教わる機会は、ほとんどありません。
だから知らなくても不思議ではありません。
しかし、毎日の食事は一日三回。
1年なら約1,000回にもなります。
一回一回は小さな違いでも、それが何年、何十年と積み重なれば、身体への影響は決して小さくないと私は考えています。
私は臨床を通して、症状だけを見るのではなく、その人がこれまでどんな食生活をしてきたのかを見ることも、とても大切だと感じてきました。
そして、これが私が「食養セミナー」を始めた理由でもあります。
鍼灸治療で身体を整えることはできます。
しかし、治療を受ける時間よりも、日々の生活の時間のほうが圧倒的に長い。
だからこそ、治療するだけではなく、
「病気になりにくい身体をつくるために、普段の食事をどう考えればよいのか」
それを知ってもらうことも、鍼灸師として大切な仕事ではないかと思うようになりました。
食養セミナーでは、
「これを食べてはいけない」
「これだけ食べれば健康になる」
という極端な話をしたいわけではありません。
昔から日本人が食べてきたものや、季節に合った食べ方を基本にしながら、その人の身体や生活に合った食事を考えていきます。
食養とは、厳しい食事制限をすることではありません。
自分の身体に合った食事を知り、毎日の暮らしの中で無理なく続けていくことだと私は考えています。
病気になってから食を考えるのではなく、
病気になる前から食を考える。
「治療」だけでなく「予防」へ。
それが、私が食養セミナーを続けている理由です。
鍼灸・セラピー いやしろ
