あるところにゴキブリ達がおりました。
何やらお話し合いをしている様子。
「なあ、俺たち何か悪いことしたか?」
あるゴキブリが言いました。
「してない。してない。絶対してない!」
「じゃあ、なんで人間は俺たちを殺そうとするんだ?」
「ほんとだよ!せまーいすき間にひっそりと住んでいるだけなのに!」
「人間が捨てた食べ物をちょっぴり拝借しているだけだしな!」
「みつかったら、お邪魔しましたーって、すばやく隠れてるし!」
「目立たないように、体は黒くしてるしね!」
「でもキレイにツヤツヤお手入れは欠かしていないよ!」
「黒は黒でも、カブトムシのやつなんか、虫かごに餌まで用意してもらっていやがるんだぜ!」
ゴキブリ達は不満たらたら。
すると、そこに蜘蛛がやってきました。
「カブトムシを羨ましがっても、しょうがないんじゃない?」
ゴキブリ達は口々に言いました。
「どうして?だって同じ黒い虫なのに。あいつらは虫かごと餌があるんだよ」
「そうだよ、僕らの方が足が速いし、壁だってササササーッて登れる」
「背中だって、あいつらよりもツヤツヤしているもんね」
ゴキブリ達は得意げに言いました。
蜘蛛は答えました。
「それ、全部人間が嫌いなことじゃん……」
すると、そこに話を聞いていた蚊が飛んできました。
ゴキブリ達からは歓声が上がります。
「蚊さん、君も同じだ。すぐ俺たちを殺そうとする人間ってムカつくよね?」
蚊はニヤッと笑って言いました。
「ムカつく?なんでだい?」
「だって、君が飛んでいるだけで、人間は君を殺そうとするだろう?」
「ハッハッ、そりゃ当たりめぇだろ。俺は人間様の血を吸っているんだからね」
ゴキブリ達は不思議そうに言いました。
「でも、血を吸っていない時でも、殺されそうになっているじゃん」
「やれやれ、分かってねえなぁ。そのスリルがいいんじゃねえか。
おめえらは、俺のことも人間のことも分かってねえ~よっ」
蚊は続けて言いました。
「さっきから聞いていると、何だって?
僕達は、せまーいすき間で、捨てられた物を食べて、
人間の邪魔にならないように、静かに生きているだけなんです~ってか?」
「そりゃ、チャンチャラおかしいぜ!
おめえ達は、何にも悪いことはしていないって言うけどな、
よし、一つ大事なことを言ってやろう」
「おめえらさ、何、勝手に人様の家に上がり込んでんだよ!」
「あっ……」
「おめえらはな、人間様がどんだけ頑張って家を建てているか知っているか?
何十年も借金抱えて、汗水たらして金を稼いで建てた家だ!
そこにおめえらは住み着いて、な~にが、
『僕たちはせまーいすき間にひっそりと、生きているんです~』だよ!」
「全くもって、勝手な奴らだ。俺はなぁ、人間様とは血をかけた戦いをしている仲だ。
そんな、深い付き合いをしている人間様を侮辱したら、いくら同じ虫だからって
許さねえぞ!」
ゴキブリ達はシュンとしてつぶやきました。
「僕らは自分達のことしか考えていなかった……」
「いったい、どうしたらいいのかなぁ……」
蚊は今度は、ヘンっと鼻で笑って言いました。
「おめえらは、何年も人間様の家に住んでいるんだろう?
いいか、筋を通すのが人間ってもんだ。
ゴキブリの力を見せてやれよ」
蚊の言葉にゴキブリ達は、ハッとしました。
ゴキブリ達は目と背中を輝かせ言いました。
「そうだ、そうだ。僕たちはできる!今日からみんなで特訓だ!」
つづく
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今日はここまで。
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あずまくも