お給料。の巻 | 人生空回劇場

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一生懸命耕して種を植え続けてるつもり。

コツコツ水をやって気ぃ使って日に当てたり。



だけどなかなか実を結ばない私の人生。 嗚呼、空回り。



とは言え、人生、本音と建前 紙一重。  あんまり難しく考えずにいきましょ。

平均年収 30歳は479万円で27歳は439万円
 就職・転職サービスを行う日経HRが、若手ビジネスパーソンの給料に関するアンケート調査結果を発表した。.........≪続きを読む≫


よくよく考えてみると、私は今まで一度も自分のお給料に不満を言った事がない。

働き始めてから今まで一度も。 冗談を口にした事位はあるかもしれないけど、少なくとも本気で思った事は一度もない。

それ自体は取り立てて口にする事ではないとは思うのだけど、このニュースを見て普段から時々頭の中を掠める事があるのであえてトピックにしてみた。


お給料に対して不満を言った事がないというのは、必ずしも「私は高給取りですよ」って言うのとか「安いけど我慢してるんですよ」といった事とはイコールではない。

ただ、お給料の話になった時に「それほど貰ってる訳じゃないけど」って言い方はしている。そしてたいして不満に思っていない事も実はホントだったりもする。


金額については正直少ないとは思わない。 というのも、カリフォルニア特にサンフランシスコ・ベイエリアには一昔前「シリコンバレー」って地名で一躍世界中に名前を知られた所があり、ITで稼ごうって世界中のエンジニアがココに集まった。 

その影響でベイエリアでの家の値段急上昇して2千万で買ったお家が1億で売れると言ったバブリーな時代もあったのだ。


余談だけど、売買のみならず家賃もそうとう上がったから、賃貸に住んでる私達みたいのもそれなりに辛かった。 サンフランシスコのダウンタウンに住んでいた時は日本円で20万円にもなろうかって金額を1LDKに払っていた。

彼氏とシェアしているので大打撃という程ではなかったけれど、仮(借)住まいにこんなにお金を使うなんて勿体ない!と心から思った。 ・・・けれど時既に遅し。 じゃぁ・・・とお家を買おうにも もう既に私達一般人の手の届くところに買えるお家なんて無かった。 住宅は投資家のマネーゲームの対象になってしまっていたから。

オハイオからITバブルに乗って移り住んで来た人は、前にオハイオで住んでいたお家は2千万弱で今のお家の5倍の広さがあったと言う。 今のお家は8千万払ってお庭も5分の一。収入は倍以上になったけど、出費も倍以上。 子供の教育費も高いし、アメリカは健康保険やら年金やら個人でやりくりしないといけない事が多い・・・。 お給料を幾ら貰っても足りない、って話だ。


そんな背景の下で、今も私は賃貸住宅に住み一頃に比べると落ち着いたとは言え無駄に高い家賃をコツコツと毎月払い続けている。


ただ、「持ち家がほしい」とか「高級車に乗りたい」とかそんな事を思わなければ、普通に暮らす分にはあまり不満や不安がない。 持ち家が無くて将来どうする、といったホントだったら正面から向き合いたい課題から目をそむけてさえいれば、何となく暮らしていけるものだ。


と言うのも、ITバブル期この辺りの物価・地価・平均収入が好景気のあおりで高くなった為に、足並み揃える様にITとは関連のない所までお給料が上がったからだ。 これのお陰で土地に執着しないと言われているアメリカ人でもそれなりのお給料で住む土地を変えずに済み、雇い主も雇用問題を抱えずに済んだといわれてる部分もある。


そしてココからが本題なのだけど。 (っていつも前置きが長くてすんまそん)


そんな状況で出て来るのが「身の程知らず」と呼びたくなる人たち。


新しく人を雇おうと募集かけて面接をする度にため息が出る。

「時給は30㌦が希望です」とか「最低25㌦」とか言う。 


その度に「ホントにその位払う価値のある仕事をしてくれるんでしょーね?」と思う。

日本人でそういう事を言う人には特にそう思う。


それは何故かと言うとね、

日本以外の外国の人は押しなべて図々しい。(笑) 良くも悪くも図々しい、ホント、マジで。謙虚とか謙遜とか、そんな言葉は存在しないんじゃないかって程図々しい。 

それが一番顕著に表れるのが「面接」だ。

自分をいかに高く売るかが面接のポイントで、会社も自分達のバジェット内であれば多少高くても出来る人間を雇う事に価値があると判断して採用する。

出来るか出来ないかは面接の段階では 自分を高額で売りに来た当の本人の言い分だけだ。

買う側は売主の言葉をある程度信用した形で、前に働いていた会社に問い合わせる。 「今面接に来ているんですけど、どんな方ですか。 仕事は出来ますか、信用できますか」とね。 よほどモメて辞めたんじゃない限り悪くは言わないので「じゃ、おっけーです。来週から来てください。」となる。

高給取りの出来上がりだ。


でも結局その人に実力が伴わないとすぐ辞めてもらう事になる。 辞めた人は次の会社を探す、目をつけた会社の面接で同じ事をする、会社側も同じ様に前の会社に電話をして調査をする、前の会社は悪く言わない、雇って貰う、でも仕事が出来ないやつだった、やっぱり辞めて貰う、、、、。

 

物凄く細かい事をはしょって書いたけど、大体こんな事繰り返してる人って多いらしい。


日本人は大体が謙虚だった。 だから「お給料はどれ位を希望してますか」って聞くと少し困った顔をして「見当が付きませんが、どれ位が目安になりますか」みたいな質問をしてくる。 うちは日系の会社なのでお給料の提示はボーダーすれすれ。 ただし、仕事内容を見て希望通りもしくはそれ以上であればすぐ昇給してあげる用意は出来てる、と説明をする。

そうすると、大体の人たちは仕事が欲しいってのが第一なので「それでお願いします」と言ってくる。


それが最近はどうだ。

高額時給を言い出してくるのは外国人だけじゃなくなった。 

日本人も当たり前の権利の様な顔で主張してくる。 これを私達は「性質の悪いアメリカ・ナイズ」と呼んでいる。  

  (性質の悪いアメリカ・ナイズされた人達ってのは、お金の話をする時途端にいやらしい顔になる。 うーん、なぜだろう。)

いやいいのよ、何を主張して来てくれても。 だけど、言うだけの事はしてくれるんでしょうね、って思うの。

初めは様子見って事でトレーニング期間ってのを設けるんだけど、その時に目の当たりにする彼ら彼女らの仕事ぶりったらない。 あの金額を口にしていたのはどの口だ?と言いたくなる程だ。

それともあの程度であの額を貰うのが当然と思っているんだろうか。


エクセルの基本も出来ていない、ファイリングさせてもまともに仕分け出来ない、書類の概要をまとめさせても要点がはっきりしない読書感想文以下。

やり直しさせると残業になる。(残業代は出ないけど、Fixなので早引けしても給料は変わらない) 初めは「すいませーん。(汗)」って素直に謝って来るんだけど、その内早引けした事は棚に上げて「安い給料でこき使われて残業代も出ない」とか言い出す。


うーん、これって当たり前の主張として通るの?って思う。


そもそもお給料ってのは働いた事に対する対価な訳よね。

最低限お給料貰うだけの仕事は完璧にこなしてよ、って雇う側の主張は当たり前に言っちゃいけない事?(私が雇ってる訳じゃないけど) 

例えば、時間をかけて丁寧な仕事をする人がいるんだけど、残業してまで頑張ってます!って物凄いアピールをする訳。 だけど私のボスは言うんだよね。 「あれだけ時間かけて丁寧じゃなかったらお給料払う価値ないよ」って。「時間をかけずに早く丁寧で綺麗な仕事する人が評価されるなら当たり前だけど」って。 厳しい言い方だけどその通りだなって思う。 

お給料貰ってるって事はプロフェッショナルなわけだから、スポーツの世界だったら過程がどうであれ結果が出なければ評価されないもんね。 フィールドが違うってだけでお金貰ってる以上“結果を出さないといけないプロ”である事に変わりはないもんね。


お金を稼ぐっていうのは、大変な事だと思う。

アメリカ式の高く自分を売るって方法は決して間違いじゃない。 

だけど、それに伴う実力を兼ね備えてこそ通る自己主張だって事当たり前に理解すべきだと私は思うのね。


私は、自分がそんなに出来る人間じゃないと自己評価はかなり低いので、それ以上の評価をしてくれるボスに対して有難いと思うと同時に、、、申し訳ない気持ちにもなり、頑張らねばという気持ちも大きい。

そこんトコ巧く使ってくれてるな、って思う。


ホントに仕事が出来る奴ってのは、自分を自分と同じく評価してくれる所を間違いなく見つけると思うし、自分の居場所を間違わないと思う。

そういう事に愚痴を言う事自体が出来る人間じゃないって証拠かなと思う。 それか、とても運が悪いかかな。



奉仕の精神だとか自己犠牲だとか、一昔前の終身ご奉公雇用が良いとは全く思わないけれど アメリカのこういうドライな感じを真似てる俄かアメリカンジャパニーズに苛立ちを覚える。


あ、ニュースでは最近の若い日本人って事だったね・・・ ドコも一緒なのか? いや、願わくば出来る若者が日本には多く居て残念な事にちゃんと評価してくれる上司が存在しないって事であって欲しいと思いマス。