仏文和訳の実際 | K's読書室

K's読書室

読んだ本の紹介をしたいと思います。

「仏文和訳の実際」(倉田清、著/大修館書店)を読了しました。読了というより、全文「和訳」して、「視写」もしました。

この本は、「まえがき」によると、「フランス語の基本的な短文から上級程度の論説文まで、例題による実際的な練習によって読解力と翻訳能力を効果的に養うことを目的として編まれたもの」だそうです。

この本は、「基礎篇」、「仏文和訳上の若干の注意」、「応用篇Ⅰ」、「応用篇Ⅱ」に分かれています。

「基礎篇」では、基本文法の項目に分けられた短文が出題されます。ごく基本的なものから、少し難しいものへと発展していきます。そして、思想的に内容のあるものも取り上げられています。この部分は、フランス語と日本語が、見開きになっており、「和文仏訳」にも用いることができます。問題として、「641題」あります。

「仏文和訳上の若干の注意」では、和訳する上での、例を用いながら、どのようにするのがいいのかを解説しています。

「応用篇Ⅰ」では、主に、19世紀と20世紀の「小説」から、有名な個所を用いて、和訳の練習をしていきます。第1課から第36課まで、「36課」の問題があります。

「応用篇Ⅱ」では、「論説文」を用いて、和訳の練習をします。「フランス文化論」の主な要素を組み入れようとしているそうです。第37課から121課まで、「85課」の問題があります。

「応用篇Ⅰ」や「応用篇Ⅱ」になってくると、「ドーデ」とか「モーパッサン」とか「パスカル」とか「ルソー」とかの文章が出てきます。こんな時代の文章がフランス語で読めるのかなと思いましたが、よく読んでみると、難しいけれども、読めないことはありませんでした。また、フランスの「憲法」まで出てきますので、歯ごたえのある文章ぞろいです。ご興味のある方は、ぜひ挑戦されてみるといいかもしれません。

今後のこの教材を用いての勉強は、「基礎篇」を「和文仏訳」することと、「応用篇Ⅰ」と「応用篇Ⅱ」の「視写」をしてみることです。一通り「和訳」したとはいっても、まだ、わかりにくいところもあるし、「単語・語法・文法」を身に着けるのに、「視写」が効くのではないかと思うからです。まだまだこの教材とのお付き合いは続きます。