「源氏物語(二)」(山岸徳平、校注/岩波文庫)を読了しました。
この本は、言わずと知れた、紫式部の千年の傑作です。
私の理解では、この本に出てくる光源氏は、度量が大きい気がしました。ちゃんと責任を取っているように思います。
また、この本の「乙女」の篇には、
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「猶、才を本としてこそ、大和魂の、世に用ひらるる方も、強う侍らめ。」
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という、光源氏の教育観が出てきます。
この部分の理解の仕方として、ある新聞のコラムを引用しますと、
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〈才すなわち漢学の素養が基礎にあってこそ、大和魂も世の役に立つものでございましょう。〉この「大和魂」は今と違って、臨機応変な判断力という意味である。
つまり中国の悠久の歴史や詩文を学び、自らも書けるようになってこそ、行政の実務にも的確に対応できるということだ。
現在の大学行政はどんどん実務教育に傾き、さながら職業訓練校を目指しているかのようである。しかし、洋の東西を問わず、教育の根幹は一般教養にある。世界の歴史や文学を学ぶことが、たとえ回り道に見えようとも、スケールの大きな人材を作り出すという原則を、光源氏は理解していたのだ。
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となります。
私は、行政には携わっていませんが、いろいろと読むことで、スケールの大きな人物になりたいと思います。