放送から、ネットワークへ
これは、カンヌ2006の2日目のセミナーで、僕の周辺で、一番評価が高かったコマのタイトルです。実は僕は、見逃しました。豊富な実例をまじえて語られていたのは、要するに、ブランドを作るには「送りっ放し」ではダメで、ユーザーと関係性を結ぶ「ネットワークをもつ」ことが、重要であるということ。
今年のカンヌ・セミナーで、目白押しだったのが、これ系のお話。バズ、バイラル、双方向、インテグレーテッド、自動的に拡がって伝播していく広告、など。
その中心にあるのは、当然ですが、ネットです。WEBや、CGMが、重要な働きをして、広告が様変わりしてゆく様子が、セミナーの時間割表の文言群から、浮き立ってきます。
TVCMがなくなる、ということはない。しかし、ユーザーと関係性を構築するには、インタラ広告でしょう。ユーザーが、広告コンテンツを自分から見に来てくれる。ユーザーが、商品やその広告について発言して、自分の友人なりに広めてくれる。すでに、そういうことを現業の中で、何度も体験していて、すごく新鮮ですし、広告屋として醍醐味を感じます。
TVCMをやってた頃の(今もやってますが)、反応のまるで見えない感じ、試写までは難航するのに、オンエアしたとたん、まるで手応えがない感じ、と、インタラ広告で体験する、公開したとたん、ダイレクトにユーザーからの「レス」を受け取る感覚とは、まるで違うものです。
送りっ放しではなく、関係を構築する、というのは、今までの広告の作り方より、何倍も手間のかかることです。入稿して、ハイ終わり、というわけにいかないですから。しかし、手間をかけた分、反応があれば、広告屋の仕事としては、「賞」を取る以外に目標がないというより、はるかにやりがいもあって、リアリティが持てて、ダイナミックだと思うんですけど。
CMは、BIGビジネスへ。BIGアイデアは、他領域へ。
カンヌから日本へ帰る飛行機の中で、書いたことをベースに、何本かエントリーをあげます。
現地で、毎日、逐一上げた方が良かったのかもしれないのですが、結構、飲んだり、人と話したりする機会が多くて、楽しく。。。、スクリーンを見ながら、セミナーを聞きながら、ランチを食べながら、夜、誰かと飲みながら、考えたり気づいたりしたことを、以後、いくつかのトピックにまとめて行きます。リアルタイムじゃなくて、すいませんが、よろしくお願いします。
で。いきなり、最終結論からで、恐縮ですが、
2006年のカンヌで、ハッキリしたこと。
それは、新しい意味の見いだせないCMのグランプリ受賞と、
超大作の多いシルバー以上のCMを見て、思い知ったこと。(まあ、例年、大作ぞろいでしょうが)
カンヌにいる間、カンヌに来る前。
メディア環境の大変貌、CGMの台頭などの状況の中で、TVCMはこれから、どうするんだろう?と、思ったり、
仕事の行き詰まりに悩むCM系の方と話したりする中で感じたり、していたのですが、
今年のカンヌは、そこに、どんな答えを出してくれるんだ?と、正直、期待していました。(去年のホンダのディーゼルなんかは、ひとつの鮮やかな解答だったと、思ったので)
僕が受け取った、カンヌの出した答え。それは、
「TVCMは、圧倒的なBIGエンターティメントで、BIGビジネスをせよ!」でした。
TVCMが、生き残る道(~それは、現・広告産業が生き残る道にも他ならないのでしょうが~)それは、他の広告メディアでは、絶対に体験できない、圧倒的に面白く、圧倒的な完成度で、圧倒的に金をかけた、すごいエンターティメントを作って見せる、こと。
WEBや、広告媒体の様変わりに対して、TVCMが打てる対抗策は、それなんだ、、、、へぇー、と思いました。
BIGアイデアは、他の領域に任せた!という声さえ、聞こえる気がしました。
そのいい例が、CMのグランプリと同時に発表のあった、チタニウム・ライオンのグランプリ。
JETだろうという、予測を裏切って、日本の「デザイン・バーコード」がグランプリに輝きました。
正直、これには、ぶったまげましたね。地味すぎじゃねえの?という意見も、あると思いますが、チタンが単なるクロスメディアへの評価なんかではなく、この贈賞から、広告への考え方を変えていくのだ、という強い決意表明のようなものを感じましたし、
「それなら、取れるかもしれない!」と非常に勇気づけられました。
TVCMは、BIGビジネスへ。
BIGアイデアは、他の領域へ。
それが、僕が今年のカンヌから受け取った、最終的な答えでした。
広告は、変わる、(1年単位でも)。
カンヌへ来たのをきっかけに、ブログを始めたものの、途中1回書き上げた原稿がぶっとんで、時間は流れ、もう今日は最終日です。
ブログを始めたのを報告したところ、CAのすだしん君(同姓のよしみで、何かとお世話になってます)が、彼のブログで紹介してくれて、ありがたい読者さんが何名か付いてくれました。
ただ、もともとカンヌ・レポート的な目的ではなく(それはMIXIの方に上げております)、カンヌに来て、日常業務に忙殺されなくなり、逆に純粋に広告アイデア漬けになり、太陽の明るいうちから、生ビールで広告談義などするようになって、
そういえば、マスから、インタラに来て、1年たって、その間いろいろ気づいたこと、思ったことを、断片的にでも書きたいと、構想していたことを思い出し、ちょうど同行してたブロガーの先達である堀君に、アドバイスもらって始めたのが、このブログであります。
だから、日記というよりは、立ち読み・拾い読みするかのように、バラバラに書かれた本のようなものという、気分です。継続が重要とは、肝に銘じておりますので、読者様、よろしくお願いいたします。
さて、カンヌ・レポートをしなかったいいわけは、さておき、タイトルの件。
上の、すだしん君に紹介してもらった際、何気なく、彼が去年、克明にブログに上げていたカンヌ・レポートを読みに行きました。(便利な時代で、ありがたいです)
そこで、なるほどねー、と思ったのは、第1原稿では、長いスパンで「広告は、変わる」って書いたのですが、去年のカンヌから、今年のカンヌで、こうも変わってるものか、、と。去年、ウェルカムなフューチャーと、先取りで宣言されてた内容が、すでに、ありきたりなものになってる、本日。スクリーンを見る目、反応するお客さんの感覚も、やはり、あきらかに変わってきていて、
それは、昨夜、弊社のパーティーで立ち話をした、もと弊社の某CDの言によると、
「CMを見てても、もう、待ってらんない自分に気づく。どうせ、商品ほめるんだろ?だったら、さっさとしてくれ。タグラインなんかまで、待たせるな。、という感じ」ですと。例年カンヌに来てるそうなのですが、見てる自分側のいらちな変貌に、ショックを受けてました。
しかし、1年でこうも変わると、大キャンペーンの場合、ローンチまで半年かかったりするわけで、1仕事ごとに本気で進化しなきゃなんないし、よくメーカーの悩みで聞く、発売する頃には、時代遅れの商品になってるという事が、広告手法・広告表現でもリアルで切実な話になってきます。(インタラの職場では、すでに感じてることで3ヶ月早いことを、競い合ってるような感覚があります)
その一方で、同じく昨夜、何年ぶりかで再会した某女性演出氏は、「TVCMの仕事は、同じことを繰り返している感じで、自分の時間がもったいない気がしてくる。新しいことをやりたい、といつも、思うのだけれど、引き戻されることが多くて、」と、言ってました。CMの現場から、片足以上抜いてる(左足は置いてる)自分としては、なつかしいような、相変わらずそうなんだ、、的な、感慨でした。
ていうか、さて、今日決まるグランプリは、新しい広告の道筋を照らすようなものになりますかね?それとも、TVCMのさらなる衰退をシンボライズするものになるのか?答えは、10時間後!
記述は、テキストエディターで。
。。
(カンヌ06滞在時に、考えていたエントリー。
タイトルのみ、本文なし。
オンラインの入力ブラウザーが、
カンヌで、よくオチてたのを、思い出す。
追補@100503)
そもそも、広告とは何か?
突然ですが、はじめさせていただきます。
カンヌに来たついでに、ブログをはじめます。
インタラクリ、というタイトルからして、基本的にはインタラ広告のクリエィティブ論とか、作例・事例と、その意図などなど。また、マス広告との対比の中で、インタラ広告を、どうして行くべきかぁーみたいな、内容ですが、やはり、第1稿はここからかな、と思いました。
「そもそも、広告とは何か?」
出ました。大仰です。しかし、ここで、その定義を問うつもりは、ありません。再認識しておきたいのは、歴史的に、広告がのっかる「のっかり先」は、常に、変化してきたということです。歌舞伎、浮世絵、パリの新聞王、インチキ映画?、テレビ、そしてネットと。なんで、「のっかり先」が、変わり続けたんでしょう?
常に、最新で、庶民が大好きで、大注目の、新媒体や、新ネタに、飛びついて、うまいこと、のっかって、商品情報を、吹く。それが、歴史が証明している「広告の変わらない姿」ですね。(これ、別に悪く言ってるのでは、ないです。)
だから、広告は伝統芸能じゃなくて、庶民の関心が変わったら、それに合わせて、迅速に姿を変えなければならない。庶民の関心は、常に、変わる。新技術・新ネタの登場、より面白いモノ、より使えるモノへ、どんどん、どんどん変わって行く。(その中で、人間として変わらない部分は、持ちながら、ですが。)
この、、人々の関心に合わせて、「広告は、変わり続ける」、というのが、まず、一番はじめに持つべき、重要な認識ですかね。インタラクリ論は、ここからはじまります。