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私はミルクスポットについてあまり知らなかったのですが、(株)世界コインさんが詳しく解説している動画を発見しました。
造幣局でコインを作成しているときに使用される洗浄剤と銀貨が反応し、塩化銀になったものがミルクスポットのようです。
NCSなどのメンテナンスサービスでも除去できないようです。
ミルクスポットがあるコインでもNCSに出してきれいにできるという考えは通用しないようですね。
洗浄剤が残留し、乾燥し、湿気があった場合に再び銀と反応をはじめることを繰り返し、ミルクスポットが形成されます。
このためスラブに入った銀貨でも当初なかったミルクスポットが時間の経過とともに出現するようです。
私もこの現象に直面した時にはかなりショックを受けました。
スラブに入っているのになぜ!?と思いながらPCGSの鑑定済み画像を確認していました。
この対策としては
・自分で購入した裸銀貨はメンテナンスサービス付きで鑑定に出し、スラブ化する
(メンテナンスサービスでクリーニングすることで残留した洗浄剤が取り除けると思われます。)
・スラブコインはスラブに入って1年以上経過したものを購入する
グレーディング中は湿気にさらされる、塩化反応でミルクスポット形成までには時間がかかる、ため1年程度経過したものは見分けがつくようです
ダイアナ銀貨の良い状態のものを購入し、スラブに入れたいと思い、ヤフオクできれいなものを購入しました。
手元に届き状態を確認すると、ヘアライン、他キズなどは全くありませんでしたが、両面に汚れがありました。
汚れは白い濁りや一部錆のようなものがありました。
NCSで汚れを除去すればPF69程度になりそうと思いNGC鑑定+NCSを依頼しました。
昨年12月にW社さんにお願いし、今年の5月に手元に届きました。
カプセルのまま送ろうと思いましたが、依頼手順にビニールパック等に入れるよう記載がありましたので、チャック付きの袋に入れて発送しました。
汚れはきれいさっぱりなくなり、PF69 UCの鑑定結果でした。
イギリスの大型銀貨でウィリアム3世のものが欲しいと思い、探していたところ、先日、W社さんの即売リストでこのコインを見かけ、少し検討し、購入しました。D評価でしたので、お手頃価格で入手できました。
到着したコインを手に取ってみると、両面とも摩耗はあるものの、ズシリと大きく、とても見ごたえがあります。カタログ値は直径38.6mm、30.1gです。
1695年発行ですので、大変歴史を感じさせる1枚です。
表はウィリアム3世の第一肖像。
裏面は上部にイングランドを象徴する3頭のライオン、右側にスコットランドを象徴する1頭の立ち姿のライオン、下部にフランスを象徴するフラ・ダ・リ (百合)、左側にアイルランドのハープ、中央にウィリアムの出身家系であるオランダ・ナッソー家のライオンの紋章が描かれています。
ウィリアム3世について調べると、オランダの総督としてオランダに侵略してきた当時ブルボン王朝最盛期のフランスを退けた英雄として描かれております。フランスに対抗するためイギリスとの関係修復を図り、イギリス国王ジェームズ2世の娘、メアリー2世と結婚しています。
ちょうどそのころ、英国では、ジェームス2世が暴政をふるっていました。これに対抗すべく、議会が名誉革命でオランダからウィリアム3世とメアリー2世を招聘、ジェームズ2世はフランスに亡命し、ウィリアム3世はオランダの総督も兼ねながらイギリス王にも即位することとなりました。
また、ウィリアム3世が創立したイングランド中央銀行は、今後の戦争における財政確保に貢献し、これによりイギリスはフランスとの戦いを優位にすすめることができるようになったといわれています。
ウィリアム3世とメアリーの共同統治時代の2人が一緒に描かれているコインも欲しかったのですが、こちらはお手頃価格で入手するのが難しそうでしたので保留です。
ウィリアム3世といえば、1701年発行の5ギニー金貨は「いつかは入手したいコイン」です。この年だけは彫の深さや精巧な作りが別格でFine Worksと呼ばれていて、特に有名です。ただ、こちらは大変高値で取引されいて、現在の私にはとても入手できる代物ではなさそうです。
大型のビクトリア銀貨が一枚欲しいと購入できそうなものを探していたところ、メルカリでAUのD評価のものを発見しました。Surface hairlinesがExcessiveでしたので、悩みましたが、現在の資金力ではAU評価の摩耗が少ないものは購入が難しいため、思い切って購入しました。
このタイプは1839、1844、1845、1847年の発行がありますが、1839年はプルーフのみですので、1844、1845、1847年の通常貨はカタログ価格、実勢価格ともに大きな差はないようです。
実勢価格は、XF45で5万円前後、AU50で10万円前後、AU58、MS61となると50万円程度になり、MS64ともなると170万円にもなります。
このコインと他にXF45のコインが売られていて、迷いましたが、摩耗の少なめのこのコインを6.3万円で購入することにしました。
到着したものを手に取ってみると表面は輝いていて、摩耗は少なく、女王のヘアバンドの模様も確認することができました。また、裏面のライオンの顔は大部分のものが、「完全には摩耗していない状態」にとどまっています。まずは、摩耗が少なめなコインを入手することができ、大満足です。直径は38mmで、かなり見ごたえがあります。
ルーペで見ると、細かいヘアラインがたくさんありますが、ここは妥協しています。
ビクトリア女王は1837年に18歳で即位し、ヤングヘッドはその2年後の1839年から発行されていますので、18~20歳のころの肖像と思われます。
コインの淵の部分には、特徴的なストップマークが刻印されていますが、これにはコインによって2種類あり、バラ科の植物「キジムシロの花(5つ花弁)」または星(十字を二つ重ねたような8角星)のどちらかが刻印されています。
このコインの場合はキジムシロです。
この違いも注目されるポイントの一つとなっています。
1844年のこのコインの場合、双方の発行枚数は不明ですが、キジムシロのほうが少ないようです。
以前より欲しかった1849年のヴィクトリアフローリン銀貨(通称ゴッドレス・フローリン)を入手しました。
このコインはCleaned判定とのことですが、両面とも擦れなどはなく、洗った形跡がわかりませんでした。
摩耗も少なく比較的シャープな像です。また、裏面には若干トーンがあります。
この銀貨は裏面が豪勢なデザインで大変気に入っています。
このデザインはどうやらゴシッククラウン銀貨と同様のデザインのようです。
調べてみると、このデザインですがつくられる際に、いろいろなパターンが検討されましたが、結果としてゴシッククラウン銀貨と同じこのデザインが採用されたという経緯があるようです。
また、流通貨のほかに試鋳貨があり、高額で取引されています。
さらに、ウィリアム・ワイオンがプライベート用に1枚だけ制作したコインがあるようです。当時はこんなことも許るされていたんですね。
価格は1500万円(手数料のぞく)!世界でただひとつの特別なコインなので納得です。