2日続けて投稿します。



[波を渡る]


物語は不思議だ。内容は同じなのに、自分の気分や状況によって胸に残る場面や台詞が変わる。以前に読んだときはあまり好きではなかった人物をなぜか好きになり、苦手なままだけれど気持ちを理解できたりする。物語は『今の自分』を映す鏡のようであり、言葉という細い細い糸を手繰るようなもの。






仕事と子育てをひとりで担うことは想像していたよりも大変で、暮らしのあらゆる場面が手抜きになった。できないことがあって当たり前という感覚が普通になり、それは他者への優しさになった気がする。それまでは『大変なこと』を投げ出さずに遂行することで自分を支え、それは自身を縛る不自由な鎖になっていた。






当事者よりも物事をよくわかっている、という顔をする人がいる。わたしは好き勝手に語られることに慣れている。言い返して波風を立たせるよりも、水のようにゆるやかに受け流せばいい。それでわたしのなにかが傷つくことはない。




自由とは哀しみや痛みを伴うもの




生活って、積み重ねるほど色褪せていくものだよね。どんなに好き合って結婚してもだんだん新鮮味は薄れていく。ときめきとか、そういうのじゃないもので補い合って、支え合って、一生やっていこうと決めるのが結婚だよね。



自分は自分、他人は他人、とそれぞれが別の個であることを理解できさえすれば、自身の暮らしと関係ない他者への攻撃が無用かつ無駄であるとわかるだろう。





留めておきたい喜びも悲しみも押し流され、どれだけ抗おうと朝陽とともに次のページがめくられ、また似たような次の一日が始まる。それが、現実を生きるということだ。積み上がった記憶は整理も回収もさず、ある日、散らかったまま終わる。









是非あわせてお読みいただきたいです。









同い年でした。

御冥福をお祈りします。




最後までお読みいただき
ありがとうございました🙇