翻訳を終えて
ジョージ・オーウェルの「くじらの中で」は、ある程度有名なエッセイであるらしい。今回の翻訳ではずいぶんとグーグル、ウィキペディアのお世話になったが、その中でも、原文の一部が引用されていた。この文は、1940年という時点での彼の歴史的ポジションが示されて、その話柄は多岐に及び、勿論その中心は英米文学ではあるのだが、当のへぼ翻訳家(つまり私)は、英文学における素養が、(モームを除いて)、ないに等しい。それでも、ちょうど70年前に書かれたこれが、意味するものは何なのだろう? その答えのヒントは、彼が使用するフレーズにあるのかもしれない。例えば、「振り子のふれ、それも途方もない距離のふれ」とか、「ゆりもどし」とか、あるいはまた、テーマそのもの、つまりミラーの文学的態度を、ヨナ記に準じて解説するとか、そういうものに、現代、それも日本の現代に通じるものがあるのでは、と思ってしまう。
私が、上記の意味で、これの翻訳に取りかかる前に指摘したエッセイは実はこれではなく、次回やろうと思っているところの、Shooting An Elephant 「象を撃つこと」である。
では次回より、それをまたまたゆるゆるとはじめることにする。