多分駄文7 | オーナーの読書室

多分駄文7


まだまだリズムのこと



ジャズのリズムについては、言いたいことも尽きたようなので、というか、ネタ切れなので、このコーナーはずっとほったらかしていたら、先日あるお客から、ずっと読んでいますよ、面白いですね、と言われた。もうこれ以上面白いことは書けないので、休筆状態であったが、だが、よくよく考えてみると、「駄文」と銘うっている以上、つまらないことを書いてもいいわけだ。


たまたま、上記のお客さんのとなりにいたもう一人のお客さんが、

「ヨルバ語のイントネーションが、ジャズのフレーズに関係しているのというはどうもわかりにくい」

と言われた。

「いや、簡単なことですよ。なんでもいいんですが、例えば、マイルス・デイビスのヨーロッパ公演のライブ盤のCDが、今ここにあります。この中にコルトレーンのインタビューがはいっています」

と言って、私はこのインタビューの部分を彼らに聴いていただいた。


「なるほどね、そういわれれば、確かにイントネーション(抑揚)を感じますね」と、そのもう一人のお客さんは言われた。


それはスウェーデンのストックホルムでの録音なのだが、スウェーデン人のインタビュアーが、「私はりゅうちょうなアメリカン・イングリッシュが話せるのです」といわんばかりに、きどった口調で、「ジョン、(ミスター・コルトレーンではなく、ジョンなどといかにも親しげに話しかけているのがあざとい、――著者の注釈、というか、ひがみ)マイルスのグループで演奏するというのはどういう感じなのですか?」などと話しかけている。すると、トレーンは、「マイルスは私に完全な自由を与えてくれているので楽しい」などと答えている。


この際、ここでは、彼の話している内容ではなく、彼(コルトレーン)の発声におけるそのイントネーションに注目してみよう。スウェーデン人の平板な発声に比べて、トレーンのそれは、抑揚が深く、大きいことに気づかされる。もちろん、彼はノースカロライナ州出身なので、彼の発音はいわゆる南部なまりがあるのだが、それと同時に黒人独特の抑揚をともなった話し方をしている。

これこそが、ヨルバ語のもつイントネーションなのである。以前のブログにも書いたが、チャールス・ミンガスのインタビューでも、彼独特のイントネーションをきくことができる。このイントネーションが英語の発音に本来的にあるダブル子音と、英語自体のイントネーション(各単語のアクセントの位置)と組み合わされて、ジャズ(実はジャズに限らずブルース、ロック全般がそうなのだが)独特のフレーズをかたちづくっている、とすることにあまり抵抗はないのではないだろうか。そこで提案なのだが、これからジャズの即興演奏をやろうという御仁には、アメリカ黒人がはなしているのを、そういう意識をもって聴いてみれば、参考になると思う。その際、いうまでもなく、英語の意味を読み取るのではなく、あくまでも発声上のイントネーションの流れを読み取ればいいのである。有名なものでは、マーチン・ルーざー・キング牧師の「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」、またマルコム・Xの演説等が、おすすめである。


例によって今回もおちゃらけた結論となってしまった。駄文なる所以である。