アフガニスタンなどのイスラム圏では未来のことを述べるときに、

インシャッラー(神様の思し召し)」という言葉が登場します。

 

<荷物は〇月〇日までに届くか、と尋ねると、

インシャッラー、届くでしょう、と答えられしばしば到着しない。

この仕事を今年中にはやり遂げよう、と決意を促すと、

インシャッラー、頑張りましょう、といわれたいていは間に合わない

 

 

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<年齢もそうで・・・誰も正確な年齢を知らない。

几帳面な人間には耐えられぬ世界である>

 

<この「インシャッラー」・・・には、

人間の分をわきまえる謙虚な祈りが込められている。

距離の概念でも山岳地帯では

「ふつう歩いて3日、遅い者なら4日」といった表現が正しいし、

予期せぬ事態も多いからだ>

 

「急ぐほど被害が多い」と現地では言う。

あまり急いで正確さにこだわると疲れるばかり、

成果はさして上がらない。それどころか大局を見失って大失敗する。

さりとて彼らが約束も守らずいい加減かといえば絶対にそうではない。

一旦心に決め誓いを立てれば何年かけても我慢して待ち続ける

 

 

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日本人は短気で性急である。これが長所でもあり欠点でもある。

成功はもちろん心地よいが、失敗もまたよし

努力の結果なら悪しからず、別のやり方で繰り返せばよい。

・・・日本人に欠けるのはこの大らかさである。

観念して神の御心に委ねるべし。

どれほど豊かな世界が広がるか計り知れない>

 

日本の神は無条件に恵み深い存在なので、

苦しい時の神頼み、と期待をしてしまいますが、

キリストやイスラムの神のもとでは、

苦しみも悲しみも、すべてが神の思し召しなのです。

 

 

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<日本に帰ると私は窮屈である。脅迫的な正確さは耐え難く、

瑣事を針小棒大あげつらうのは異様に見える。

・・・金さえ出せばところてん式に望みのものが手に入り、

意のまま気軽に万事が運ぶもの、との錯覚が生まれる。

日本列島の住民の立場に立てば、

そうしなければ生きてい行けないのでしかたがないが、

世知辛い世の中になった。・・・

だが、なければないで済むものがあまりに多いことを、

少なくとも知るべきである。

それで我々が進歩していると思うのは大間違いである>

 

 

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