信号のない横断歩道で車が途切れるのを待っていると、
4台に1台は車が止まってくれると感じる近所の県道です。
日本の車の一時停止率の高い都道府県の上位が
長野県: 84.4%
石川県: 76.4%
栃木県: 74.8%
熊本県: 66.1%
岐阜県: 65.4%
わが埼玉県は34位、38.9%で全国平均45.1%を下回ってます。
だから「ダ埼玉なんだよ」と憤るのではなく、
どうしたら一時停止してくれるか。
トヨタ自動車のおひざ元にある豊田自動車交通研究書による調査では、
歩行者優先の運転を心がけるきっかけは、
「歩行時に車が止まってくれてうれしかったから」がトップだそうです。
そんな愛知県の一時停止率は61.2%で全国8位です。
豊田市は5年前に「とまってくれてありがとう運動」といって、
子供達が横断歩道で一時停止してくれた運転手と目を合わせ、
「ありがとう」と会釈をしてから歩き出す、
ということを推奨しているそうです。
歩行者が渡ろうとしている横断歩道の手前で止まるのは、
法律に基づく運転手の当然のルールなのに、
なぜ歩行者側がお礼を言わねばならんのだというモヤモヤはあります。
けれども意識が低い運転手をなくすのは至難の業。
運転手に期待するよりも、
歩行者側が感謝の気持ちを示して心理的に訴えることで、
止まってよかった、次も止まろう、
と運転手の行動を変えていくのが狙いなのです。
人間というのは集団生活を営む動物なので、
誰かの役に立つことに喜びを感じることができます。
自分が軽く頭を下げて謝意を示すことで相手が満足感を得る、
それで、世の中の平和や安全につながるのなら、
笑顔も会釈もアイコンタクトも安いもの、まさにスマイル0円です。
交通ルールでさえ、
日本では厳しい罰則よりも情に訴える方が効果的。
ロシア人のバイク野郎、ローマンさんの心にも、
幼い歩行者が手を挙げて横断歩道を渡る姿が刺さるようです。