<俺はお父様お母様を見たいが・・・もう会はない方がいい。

自分は見たら死ぬだけだからよいが、あとで思ふ人がかはいさうよ>

(特攻兵岩井定好伍長の父親にあてた中野ミエ子の手紙より)

 

職員研修での教育勅語引用、広島市長「新年度も」

 

教育勅語の引用に批判的な意見もありますけれど、

その批判の理由は教育勅語の何が悪いというのではなく、

GHQに禁止されたから使っちゃダメなんだよ、というもの。

意味も理由も精査せずにとにかく禁止、なのです。

 

 

関連する画像の詳細をご覧ください。10月30日は教育勅語が発布された日 – 福島県議会議員 江花圭司オフィシャルサイト

 

教育勅語は戦前の修身の教科書に載っていたもので、

当時の子供たちはみんな暗記していました。

天皇陛下が「汝臣民」に対してこのように呼びかけます。

 

「父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互いに睦びあい

朋友互いに真偽を以って交わり・・・

常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、

万一危急の大事が起つたならば、大義に基づいて勇気をふるひ

一身を捧げて皇室国家の為につくせ

 

まずは「父母に孝行をつくせ」と言われているのです。

つまり兵士になって戦地に赴き親より先に死ぬのは、

天皇によって下された教育勅語の文言に反するのです。

 

 

関連する画像の詳細をご覧ください。「鳥濱トメと6人の特攻隊員」の写真 (追記あり) | わたしの意見

 

ところが戦争が激しくなると子供たちの間では、

教育勅語ではなく軍人の心得を説いた戦陣訓が、

少年雑誌などを通じて広がるようになりました。

「生きて虜囚の辱めを受けず」といって、

敵の捕虜になるよりは潔く死ね、と教えたやつです。

これでは、生き残って帰郷して親孝行、なんてできません。

「教育勅語」と「戦陣訓」を一緒にしてとにかく戦前の教育を否定

もうちょっと頭冷やそうよ、と思います。

 

 

関連する画像の詳細をご覧ください。1945年の少年雑誌 | ゴンブロ!(ゴンの徒然日記)

子供の戦意を煽ったのは教育ではなくむしろメディア

 

最近、なんでこんなことするん? という事件が多いのも、

法律に反しなければ何をやってもいいと思ってるからでしょう。

戦前の教育を受けた人間が減ってきて、

戦後の教育で「心の教育」を否定してきた、

その影響が頻発するようになってきたのではないでしょうか。

人としての生き方を指し示す宗教も道徳もない

そんな国では若者たちが不安になるはずです。

 

 

参考  親孝行の日本史-道徳と政治の1400年 (中公新書) 勝又 基

    百年の手紙――日本人が遺したことば (岩波新書) 梯 久美子