世界で最初に飢えるのは日本 (講談社+α新書) | 鈴木 宣弘
日本の食糧自給率は4割未満、
肥料や飼料も輸入しているので実質は1割ほど。
どんなに日本がお金を持っていても、
有事に食糧輸入が止まったら国民は飢え死にします。
鈴木氏は「食」は安全保障の問題だと訴えます。
戦後、日本を米国産農産物の消費地にしようとしたアメリカ。
武器を使わなくても食糧輸入を止めれば日本は勝てない。
手強い敵だった日本に対してはそんな思惑があったのでしょう。
日本人の胃袋をアメリカ依存にする計画でしたが、
それ以上に、欧米型食生活は日本人の健康にも影響が出ています。
戦後の食糧難の時代にアメリカは日本に余剰小麦粉を持ち込み、
子供の学校給食を利用して、
米とみそ汁の暮らしから、牛乳とパンの暮らしへ、と、
日本人の胃袋をアメリカに依存するように仕向けました。
このころに給食のお世話になった団塊世代には、
まずいコッペパンと臭い脱脂粉乳の思い出しかなく、
また家庭をつかさどる親の世代は完璧に和食ですから、
まだ牛乳とパンで胃袋がアメリカ依存、にはなっていませんが、
ヤバい世代が我々、次の３無主義世代です。
１９５８年、食糧難は解消されてきたのに、
ご飯を食べるとバカになる、という書物が出て、
頭脳―才能をひきだす処方箋 (1958年) 3年間で50刷り！
パンを食べましょう、牛乳を飲みましょう運動はやまず、
私たち世代は朝もパン、給食もパン、おやつも菓子パン
パンパンパパパン♪ みたいな暮らしをしてきました。
子供のころはご飯とみそ汁で育った親世代と違い、
生まれた時からおいしい牛乳とパンがあった。
そんな我々が大人になると子供を欧米型の食事で育てます。
学校給食ではそろそろご飯が奨励されてきたというのに。
先日、日本の年齢別の死亡率を示す一覧表を見ていて（ヒマか）
最近の６０代の死亡者数が増加していることに気づきました。
７０代以上が増加しているのは理解できますけれど、
まだまだ元気なはずの６０代は、増加率が高いのです。
そして、その子供世代、
４０歳前後の死亡者数増加率も高くなっています。
（死者の3割以上が癌で、女性は乳がんがトップ）
乳製品を熱心に摂取する女性に乳がんが多い、と癌の専門医。
欧米人も乳製品をとるのにどこが違うのか？ からくりは後日・・・
これって偶然でしょうか？
やはり輸入小麦中心のパン食に偏った食生活、
和食より肉や油を多用する西洋化が、
血液ドロドロや悪性腫瘍の増加に影響を与えている、
そんな気がどうしてもしてしまいます。
生野菜は「油」をかけるサラダよりもお漬物がベター。
テレビではおいしいパン屋の紹介ばかりしてますけど、
できるだけご飯中心の暮らしを心がけましょう。
幸い今の若い世代は回転ずしや米飯給食のおかげで
意外にご飯離れしていません。老いては子に従え？
