何度見てもスカッとジャパン、そして心が温まる動画です。

イギリスの素人オーデイション番組で、

「美声おばさん」のスーザン・ボイルが披露した「夢破れて」

私はつい最近まで、これをスーザンの歌だと思っていました。


 

 

『夢やぶれて』(I Dreamed a Dream)は、

ミュージカル・映画「レ・ミゼラブル 」の

登場人物ファンティーヌが絶望の淵で歌う劇中歌。

「レ・ミゼラブル」関連曲の中でも特に知名度が高く、

数多くのアーティストが『夢やぶれて』をカバーしています。

 

 

 

スコットランド出身のスーザン・ボイルは、

学校では同級生のみならず教師からもいじめを受けていました。

独身で両親と一緒に生活をしていましたが、

世界大戦でPTSDを患い暴力的だった父親が1997年に亡くなり、

2007年には、ずっと面倒を見てきた母親も亡くなりました。

 

 

 

2013年12月9日のCNNのニュースで、スーザンは、

「昨年にアスペルガー症候群と診断を受けた」

と告白したと報じられています。

子供の頃は「バカなスージー」と呼ばれ続けていた彼女は、

脳に障害を負ったと思っていましたが、IQは平均以上で、

対処可能なアスペルガー症候群だとわかったそうです。

他人とコミュニケーションを取るのが困難な場合がよくあり、

気分が激しく変化しそうと感じたら、

その場を離れることにしているそうです。

いったん、人前から離れ一人になる

そして落ち着いたら戻ってくる。

これが彼女の対人関係対処方法だといいます。

 

 

 

スーザンは2009年4月11日に放送された

イギリスの素人オーディション番組、

「ブリテンズ・ゴット・タレント」に出場しました。

見かけからは想像もつかない美しく迫力のある歌声に、

会場はスタンディングオベーションとなりました。

この番組がYouTubeなどの動画配信サイトに転載されると、

視聴回数は9日間で1億回を超え、全世界から注目され、

その年の『NHK紅白歌合戦』にも出演し、

「夢やぶれて」を歌いました(その後忙しすぎて体調を崩したそうです)

 

 

 

二度と戻らない若き日の楽しい思い出を懐かしみ、

絶望と苦しみの毎日を送る貧しい母親の「夢やぶれて」は、

つらい子供時代を経験し、今は両親とも死別した

無職で独身の中年女性だからこその歌唱力によって、

悲しみの中でも生き抜く力強さが伝わります。

 

 

 

I had a dream my life would be
So different from this hell I'm living
So different now from what it seemed
Now life has killed the dream I dreamed

 

私は夢見ていた、人生は変わるって
こんな地獄じゃなくて
こんな惨めな日々じゃなくて。
もう終わってしまったの、私が夢見た夢は。