(デビュー後「黒いカバン」や「春夏秋冬」がヒットし、

泉谷しげるさんは反骨の旗手と呼ばれた)

「そこに関しては本当に

ちょっと反省させてもらいたいことがあります」

 

「当時は反骨ブームだったわけです。はっきり言えばね。

体制に逆らって自由に生きるってことは、

仕事をやらない、怠けたいというのと一緒みたいなところがある。

要するにサラリーマンを馬鹿にしてるわけです。

だけど自由に発言できるのは、

地道に仕事をやってる人たちがいるからできる。

彼らが社会を支えている」

 

 

 

「あの時、流行で俺は載っちゃっていたけど、

本当は違うんですよ、という気はないです。

思わせた責任は取らないといけない。

この考えは足かせではない。

単に団体になるのが嫌なだけです。

だから煽っているようで案外煽っていないんですよね」

 

「俺はこうだ、と言ってるだけで、

みんなで一緒に戦え、と言ったことはほとんどない。

はっきり言って俺は扇動はしません。

ひとつの方向に行くことの方が怖い。

戦いたくなれば俺は一人で勝手に行くし、

遊びたい奴は遊べばいい、逃げたい奴は逃げればいい」

 

 

 

かつて忌野清志郎が発表した、

原発問題を取り上げたアルバムが発売禁止になり、

社会問題をどう捉えているのか」と怒られた泉谷さん。

 

「音楽は社会問題をいれても普遍性がないとダメ。

そのためにアーテイストは皆、悶絶して歌詞を書いている。

一時的に扇動するような楽曲を肯定してはいけない・・・」

 

 

「サンデー毎日」 6月26日号より

 

 

こちら、彼女への恋心が冷めてしまった男の歌ですが・・・

 

 

「コパカバーナ」で有名なバリー・マニロウは、

後年自身がゲイであることをカミングアウトし同性婚

「消えかけた彼女への恋心を何とかして取り戻さなければ・・・」

という歌詞は一見、ただの倦怠期を歌っているようですが、

彼が同性愛者であることを知った今は、なおさら切なく響きます。

 

同性愛者の苦しみを訴えるのではない普遍の作品です。