内戦下のシリアからお隣のトルコに逃れてきた女性が
法的な手続きを踏まずに「結婚」し
財産分与の権利もなく子供を抱え経済的に困窮している
そんなケースが増えているという新聞記事を読みました。
原因の一つが、
母国のシリアで認められていた一夫多妻制が
同じイスラム圏のトルコの法律では認められていないことです。
そして難民女性たちの多くはそのことを知らずに
(高等教育を受けている私も先日まで知りませんでした)
トルコ男性に騙されて結局「離婚」に追い込まれます。
そして路頭に迷う・・・
緑 イスラム教徒のみ一夫多妻制は合法
水 一夫多妻制は合法
青 一夫多妻制は一部の地域で合法(インドネシア)
一夫多妻は違法だが犯罪にはならない
一夫多妻制は違法で犯罪となる
マサイ族も一夫多妻は合法。
男性は戦士なので寡婦が多くなってしまうのかも・・・。
イスラム圏での一夫多妻制は、
聖典のコーランを基にするイスラム法的制度です
男性は4人まで妻を娶ることができますが、
夫は妻を保護し扶助を与える義務があり、
それぞれの妻の扱いに差をつけることは許されません
夫が義務を怠ったりそれぞれの妻の扱いに差があった場合は
離婚申し立てと賠償の根拠となります。
もちろんそれぞれの子供たちの間にも差別はありません
お金持ちでなければ維持できない制度です
イスラム法での一夫多妻は、
猿山のボスざる的な男万歳の制度ではなく
女性を経済的に扶助する手段として導入されました。
イスラム帝国時代は戦争が相次ぎ
女性は故郷に残されたまま寡婦になってしまうことが多く、
彼女たちを救うために設けられたのがこの制度
だからこそ平等に扱えという厳しいルールがあるのです。
アメリカでもモルモン教徒の一夫多妻制は認められる。
トルコがイスラム圏でありながら一夫多妻を禁じているのは、
キリスト教文化のヨーロッパに影響されたから
ヨーロッパでは女性の貞淑を重視するキリスト教の教えに基づき、
未亡人はみんなで助けましょうという福祉制度があります。
どちらが正しいというよりもこれは文化と宗教の差です
日本でも江戸幕府の8代将軍吉宗は
財政の立て直しに尽力した際、
大奥には「美しき者50人の名を書け」と命じ
「この者ら家へ帰って嫁に行け」と経費削減を強行しました。
なぜ「美しき者」を帰らせたかというと、
美女は嫁の貰い手があるけれど、
そうでない者は困るだろうからと、大奥に残して養ったのです。
経済力のない女性の生活を第一に考慮したといえます
一夫多妻制は、本来は女性のための制度なのですね
(ほぼネット記事参照)