連合赤軍事件の元メンバーの女性が、

アジトから逃亡し、逮捕、裁判、服役を経て、

人目を忍びながら静かに老後を迎えようとしていたのに、

ある出来事から過去に直面させられることになる・・・

実際に起きた凄惨なリンチ事件を、

作者独自の視点から切り込んだ作品です本

 

(本文と写真とは関係ありません。ま、何が埋まってるかわかんないけどね)

 

この事件の幹部の永田洋子には死刑判決が下されました。

主犯格の森恒夫が裁判前に自殺していたから、

判決は、仲間に対する凄惨なリンチの理由を、

「女性特有の執拗さ、底意地の悪さ、冷酷な加虐趣味」と、

永田洋子の女性特有の資質にあるとしています叫び

 

当時の弁護団の一人だった大谷恭子は小説の解説で、

永田洋子の人間性を犯行動機にされたことに怒りを表明パンチ!

そして、あの事件を生みだし許容した一番の原因は、

あの時代の運動の過ちと限界

閉鎖された空間で噴出し歯止めが利かなくなったことだ」

と述べています。

平成にもそんな事件があったわねオウム真理教本

 

瀬戸内寂聴さんもその証言でお茶

「変革期の中の真摯な若者の過ちは

歴史の中に幾多もあり、

本件もこの観点でとらえられるべきであり

個人の資質の問題に終わらせてはならない」

とおっしゃったそうです。べき、ですかはてなマーク

 

赤軍派と合体した革命左派は、

地域の労働運動を担ってきた、婦人解放を掲げてきた、

やり方はともかく理想は間違っていなかった・・・

でもその成れの果てがあの大量殺人だとしたら、

学生運動が国民の反発を買うのは当然ですNG

当時小学生だった私たち世代への影響は小さくない。

作品では結婚を控えた姪っ子が、

「連合赤軍事件」をググってドン引き、リアルです叫び

 

解説者の大谷恭子氏は、

自分も陥った過ちだと感じた人が少なからずいる」

と当時の最終弁論で指摘したそうです。

え、そうでしたっけ? あなたも?

 

私だけではない! 誰でも犯罪者になる可能性はある!

だからこの事件の真相を社会問題として議論しろ!

こんな言い訳が通じるのならほとんどの犯罪が許されるブタ

まずは被害者に寄り添えと思います、そして

犠牲者の側でよかったと嘆く親の思いを受け入れろとあせる


「自分たちは離れ小島に取り残された」と語る元活動家。

それでも彼女たちには、

かつての過ちや罪悪感を共有できる仲間がいるお酒

ちょっと下である三無主義世代の私が経験できなかった、

同志のきずな、秘密の過去を共有できる仲間・・・

 

それは家族と暮らし今と未来しかない私には不要なもの家

この主人公も過去よりも大切なものを最後に手に入れる。

連合赤軍事件裁判の問題点ではなく、

「希望という慣れない感情」を残してくれる結末でした。

 

弁護士の解説は別の読み物として扱うことにしますぶーぶー

(以上作品そのものではなく作品解説に対する感想でした本

 

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