最強の専門家13人が解き明かす真実
『食の安全の落とし穴』
小島正美・山﨑毅/著
A5判/256㌻/定価1540円(税込)
女子栄養大学出版部
食品を〝安全かどうか〟で選ぶとしたら、どんなことを判断材料にしますか。危険だと思っていた加工食品ではまったく事故がなく、安全だと思っていた天然のサプリで健康被害が起こる……。あなたがそんな「食の安全の落とし穴」に落ちているとしたら、判断のカギは食のリスクを知ることにあります。本書は、その判断力を養うための本といえます。
意外に知らない
安心や不安を作るもの
「天然・無添加のほうが安心」、「遺伝子組換え食物は危険」、「農薬が使われていると不安」、「放射能汚染が怖い」……。こうしたイメージは、過去に報じられた事件やニュースの影響と、〝食品のリスクとはなにか〟を正しく理解していないことによる、と本書の著者でリスク学者の山﨑さんはいいます。そして人は、不確実なもの、よくわからないものに対して不安をいだきがちなようです。もう一人の著者、小島さんはジャーナリストの立場から、「メディアは、人々が不安を感じることに対して、根拠が乏しくても不安に寄り添い、増幅する形で報じる」と指摘します。私たちの不安意識は、心理的なものやメディアの性質にも影響を受けるようです。
そこで、食の安全に関する真実を明らかにするために企画されたのが本書です。著者らが伝えたい13のテーマ(添加物、農薬、放射能、遺伝子組換え、食中毒、健康食品など)それぞれのスペシャリスト13名が登場します(13名は文末参照)。科学的に研究を積み重ねてきた専門家に著者が取材し、各テーマについて、どんなリスクがひそむのか、そのリスクはどの程度か、そのリスクをどうとらえるべきか、掘り下げます。
3月に報じられた「紅麴サプリ問題」についての特別対談も収載。食の安全に関する最新の情報が詰まった本書で、知識をアップデートしてください!
【最強の専門家13人】
1 食品添加物 畝山 智香子
国立医薬品食品衛生研究所 客員研究員
2 食品の残留農薬 原田 孝則
(一財)残留農薬研究所 理事長
3 遺伝子組換え食品 田部井 豊
東洋大学 食環境科学部 客員教授
4 食の放射能汚染 田内 広
茨城大学 理学部 教授
5 ノロウイルス 野田 衛
国立医薬品食品衛生研究所 客員研究員
6 カンピロバクター 中村 寛海
(地独)大阪健康安全基盤研究所 主幹研究員
7 リステリア 五十君 靜信
東京農業大学 食品安全研究センター長 教授
8 サルモネラ 大河内 美穂
キユーピー株式会社 品質保証本部食品安全科学センター 次長
9 アニサキス 杉山 広
国立感染症研究所 客員研究員
10 食物アレルギー 海老澤 元宏
国立病院機構相模原病院 臨床研究センター長
11 トランス脂肪酸 後藤 直宏
東京海洋大学 海洋生命科学部学部長 教授
12 健康食品 宗林 さおり
岐阜医療科学大学 薬学部 教授
13 食品のリスクアセスメント 山本茂貴
内閣府食品安全委員会 委員長