わたしの唐傘おばけ 創作 | 星導夜

星導夜

何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

わたしの唐傘おばけ


みらあじゅ作・画


今まで使っていた傘☔が古くなったので


新しい傘☔に買い替えたあと


わたしはゴミ置き場に持って行った。


その晩のこと。


「帰って来たぞ」

「捨てるなんてひどいじゃないか」


という


割れ鐘のような気味の悪い声が聞こえて来たかと思うと


いつの間にかわたしの部屋に


一つ目の唐傘の化け物が


一本足で


ヒョイヒョイと入って来た。


「ワシは付喪神じゃ。捨てられてはかなわんわい」


「全く近頃の人間は、ものを粗末にして困るワイ」


諦めて


私は


唐傘おばけ、捨てた傘が化け物になったものを雨の日にさすことにした。


割れ鐘のような声で


デタラメな歌を歌ってはいるが


どことなく憎めないおばけなので


私はいつしか


あれだけ憂鬱だった雨の日も


楽しく過ごせるようになった。


新しい傘よりも


もっぱら 



このおばけ👻傘を愛用している。


🎶🎶🎶🎶


雨はいいぞ

雨はいいぞ


雨には


雨の楽しみ

あるぞ


埃も


汚れも


洗い流すぞ


雨の日こそ


胸はってあるけ


唐傘おばけ👻の歌である。