
今回は、私がブックオフで見つけて
まるで写真のようにきれいな絵に惹かれて買った絵本をご紹介したいと思います。
調べてみましたら
ケイト・グリーナウェイ賞を受賞した作品ですが、
「魔女の宅急便」の原作者で有名な角野栄子さんが訳しているものの、作者のダイアン・シェルダンさんや
絵のゲイリー・プライズさんについては、日本では余り知られていないような感じで、調べることができませんでした。
なお、Wikipediaで調べましたところ
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ケイト・グリーナウェイ賞(ケイト・グリーナウェイしょう、Kate Greenaway Medal)は、イギリスの絵本作家ケイト・グリーナウェイにちなんで1956年に英国図書館協会によって設立された賞。1年間にイギリスで出版された絵本のうち、特に優れたものの画家に対して贈られる。
⏫となっておりました。
精緻で美しい絵本で私にはとてもこんな絵は書けないと感心しました。
ケイト・グリーナウェイ賞の趣旨を考えますと、
ゲイリー・プライズさんは英国の画家なのでしょう。
主人公はリリーという少女です。
リリーにおばあさんが、くじらの物語を語ります。
おばあさんは桟橋の上でくじらの歌を聴かせてもらいました。
おばあさんは、リリーもくじらに見つけてもらって歌を聴かせてもらいたかったら
くじらの喜びそうなきれいな貝殻とか石の贈り物をすると良いとアドバイスします。
そこへ入って来たフェデリックおじさんは不機嫌な様子で
「くじらが大事にされて来たのは、肉や脂や骨が人間に役立つからだ」と言って、おばあさんに馬鹿な夢物語をやめるように言います。
おじさんは、普段からおばあさんがリリーに夢のような物語を聞かせるのを、良くは思っていませんでしたから。
その後、リリーはくじらの夢を見るようになります。
夢の中のくじらは歌をうたい、跳びあがってリリーの名を呼ぶのでした。
リリーは桟橋に行って、黄色い花をそっと海に落とします。
「くじらさん、どうぞ これ、あたしのおくりものよ」
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リリーは、一日中桟橋に座ってくじらを待ちました。
夕日が沈むころ、フェデリックおじさんが来て、
「そんなばかなまねは もうやめて、うちにおかえり。わたしはおまえに夢ばかりみているような人間になってほしくないのだよ」と言います。
その夜、リリーは月明かりでいっぱいの部屋で、ふと目を覚まします。
家を抜け出し、浜辺へ向かって走ると、海にはおどろくほどたくさんのくじらが 月にとどくほどたかくとびはねていました。
ふとリリーは気が付くと裸足で浜辺に立っていました。
もうくじらの姿はなく、いつもの穏やかな海に戻っていました。
夢を見ていたのだと思い、家へ帰ろうとするリリーに、風に乗ってくじらの呼び声が聞こえてきます。
くじらは確かに呼んでいました。
「リリー、リリー」と❤️
ザトウクジラって確かに歌うようですし
フェデリックおじさんのいう
「夢物語ばかり信じてないで、現実に目を向けるように」と言うのも、確かにわからなくはないのです。
だけど余りに現実的で夢が少しもないというのは寂しいことだなと思いましたよ。
おばあさんの言ったとおり、くじらはリリーの贈り物を喜んでくれて歌を歌ってくれました。
夢が現実を追い越したのだと思っています。
絵はきれいですし、夢をなくした大人に読んで欲しい絵本でしたね。