溶けた盛り塩 みらあじゅの恐怖博物館① | 星導夜

星導夜

何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

みなさま

私は「恐怖博物館」の学芸員(キュレーター)をつとめるみらあじゅです。

ようこそ当恐怖博物館においでくださいました。  

私の創作した恐怖話がたくさん

この博物館には収められておりますよ。

では早速最初のご案内です。

(恐怖劇場の支配人ではなくて新恐怖シリーズは

私が憧れていたキュレーターに扮して登場しますね。)




「溶けた盛り塩」
僕は大変霊感の強い人間です。

そのために何度恐い思いをしたでしょうか?

これは僕がまだ学生だった頃の話です。

当時僕と仲の良かった友人のAくんが

引っ越しをしたんですね。

引っ越し先は2階建てのそこそこ古いアパートでした。

駅から近くて立地条件はとても良く、いくら古くてもそれなりの家賃の筈ですが、破格に安かったのですね。

Aくんは、なんだか怪しいとは思ったものの、貧乏学生でしたから破格に安い家賃の誘惑には勝てませんでした。

心配性のAくんは、引っ越してすぐに押入れなどすみずみを見て回りましたが、魔除けの御札などは貼っていませんでした。

それでもなんとなく不安だったので部屋の四隅には盛り塩をして眠りました。

次の日学校の講義が終わって帰宅すると

あろう事か盛り塩はグズグズに溶けていたのでした。

肝を潰したAくんは僕のところにほうほうのていで駆けつけて

「あの世部屋なんだか薄気味悪い」と泣きださんばかりでした。

仕方ないので僕は一緒に彼の部屋に行きました。

2人して部屋に入った瞬間

僕は激しい吐き気を催しましたね。


なんと盛り塩した床の上👆壁に

血まみれの

顔が柘榴のように割れた女が

蜘蛛のように張り付いていたのでした。

Aくんが即逃げるように引っ越したのは言うまでもありませんでした。

いかがでしたか?

新生みらあじゅの恐怖シリーズ。

新シリーズにふさわしく

一生懸命恐い話を作ってみたつもりです。