私がおばあさまと一緒に暮らしている家に散歩から戻ると、セダン型の大きな自動車が停まっていました。
いつも私を診察してくださるお医者様がいらしているのだと、自動車を見て一目てわかりました。
来客の時には邪魔しないようにと言われていたので足音を立てないように自分の部屋に戻ろうとした時に応接室から、おばあさまのなんだか怒ったような 声が聞こえて来ました。
「先生、夢路の手術は早めにしてくださるんでしょうね」
私の手術、なんのことでしょうか?
私は思わず耳をそばだてました。
「まあ、奥さん。夢路様に精神病の兆候が表れるとしたら20歳位ですのでまだしばらく様子をご覧になったらいかがですか?」
この私が精神病だと言うのですか?
私は余りの事にひざがガクガク震えました。
しかしおばあさまの冷たく放った言葉は更に私の心を打ちのめすものでした。
To be continued