Gentle accomplice | 星導夜

星導夜

何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

創作ホラーです。
これは、ラルゴ館シリーズの、いわゆる外伝でのつもりで書きました。
作中の私は、みらあじゅセンセではない、とある女性としておきます。

私の父親は酔うと人が変わったようになって、すぐ母や幼い私に手を挙げる人だった。

幼い頃の私は、何故母がそんなひどい父親と一緒にいるのか不思議だった。

しかし、母は弱々しい笑みを浮かべて困ったように
「あれでも父さん、いいところがあるのよ。母さん、父さんを好きだから。」

そんなある日酔った父親が派手な女を連れて来た。

「俺はこれからは彼女と暮らす。辛気臭いお前とガキには飽きたんだ。」

蔑みの眼で見る2人。

その瞬間。母さんの心の中で何かが弾けたようだった。

気がつくと、2人は血まみれで斃れ、茫然自失した母さんが出刃包丁を片手にしていた。

「ごめんね。ごめんね。他の人に取られるくらいならば」

「ううん。いいよ。」

私は母の手から包丁をもぎ取った。


そして優しい共犯者となった。

アパートの中庭の枝垂れ桜の下に死体を隠した私と母は、ひっそりとアパートを翌日後にした。

アパートメントハウスの名は


ラルゴ館と言った。

外伝シリーズいきなり作ってしまったが、さてどうなるやら。

この先の展開はみらあじゅセンセにも、どうなるか全くわからないのであった。