これは、ラルゴ館シリーズの、いわゆる外伝でのつもりで書きました。
作中の私は、みらあじゅセンセではない、とある女性としておきます。
私の父親は酔うと人が変わったようになって、すぐ母や幼い私に手を挙げる人だった。
幼い頃の私は、何故母がそんなひどい父親と一緒にいるのか不思議だった。
しかし、母は弱々しい笑みを浮かべて困ったように
「あれでも父さん、いいところがあるのよ。母さん、父さんを好きだから。」
そんなある日酔った父親が派手な女を連れて来た。
「俺はこれからは彼女と暮らす。辛気臭いお前とガキには飽きたんだ。」
蔑みの眼で見る2人。
その瞬間。母さんの心の中で何かが弾けたようだった。
気がつくと、2人は血まみれで斃れ、茫然自失した母さんが出刃包丁を片手にしていた。
「ごめんね。ごめんね。他の人に取られるくらいならば」
「ううん。いいよ。」
私は母の手から包丁をもぎ取った。
そして優しい共犯者となった。
アパートの中庭の枝垂れ桜の下に死体を隠した私と母は、ひっそりとアパートを翌日後にした。
アパートメントハウスの名は
ラルゴ館と言った。
外伝シリーズいきなり作ってしまったが、さてどうなるやら。
この先の展開はみらあじゅセンセにも、どうなるか全くわからないのであった。