チポリーノの冒険 | 星導夜

星導夜

何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います



イタリアを代表する童話作家ジャンニ・ロダーリさんの作品です。

子供の時に読んで気にいった作品を改めて図書館で読み返して来ました。

表向きは子供の本ですが、大人になって読み返してみるとこれは大人の為の童話だなあって思いますよ😋

野菜と果物が暮らす国には貧しい玉ねぎ坊やのチポリーノがいます。

チポリーノのお父さんは、些細なことから終身刑を言い渡されて牢屋に入れられてしまいます。

お父さんを助け出すためにチポリーノは、やはり貧しい仲間たちと力を合わせて悪人や権力者に立ち向かい、最後にはみんなが平等に笑って過ごせる平和な国を作るという痛快な冒険物語です。

この話の最初、チポリーノのお父さんは権力者の足を踏んだだけで終身刑になるという、冗談じゃないような経験をします。

この国では、寧ろ立派な人が牢屋に入れられているので、牢屋に入れられていることは名誉なんですね。わがままな権力者は立派な人間がお嫌いと来ていますから(苦笑)

作者のロダーリさんは、やはり貧しい家の息子だったそうで、貧しい玉ねぎのチポリーノたちに感情移入しているようです。

また第2次世界対戦のおりにはレジスタンス活動なさっていることから、権力に屈することのない反骨精神がうかがえます。

「間違った権力や支配に負けるな。人はみんな自由で平等だ」

ロダーリさんは、この童話でそんなことを声を大にして私たち読者に訴えたかったのでしょうね。