みらあじゅの夢十夜 第4夜 | 星導夜

星導夜

何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

こんな夢を見た。

夢の中で私は小学生くらいの小さな子供で

しかも病気のために、ある陰気臭い

さながら牢獄のような病院に閉じ込められていた。

私の父親は、勝手に病気になったと責め

母親と優しい祖母が、たまに父親の目を盗んで来ては、足早に帰って行くのみだった。

他の子供とは違っていた。

私はいつも一人だった。


三日月が空に研きたての鎌のように光るある晩のこと。

消灯時間をとっくに過ぎたのに、何か胸騒ぎがして眠れない。

そっと足を忍ばせて薄暗いロビーに出ると白い人影が。

昔の看護師、いや看護婦という服装の人が佇んでいた。

むろん、今のこの病院の制服ではない。

その人は驚いたように、私の顔を見つめて言った。

「あなた、私が視えるのね」

鳴らない筈のロビーのグランドファーザークロックが鮮やかに時を告げた。

それから毎晩、その看護婦は私の病室に来ては慰めてくれた。

そう、退院するその日まで。

🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀🎀

この話は私の小さな時の、実際の入院体験と、子供の私がイマジナリーフレンドを作っていたことが元ネタです。