「明日は皆既月食」 | Team 必撮写真館

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館長: 斎藤 一弥

皆既月食の撮し方で質問が入りましたので、私が撮影するとすればこういう風に撮影するといった参考例を紹介します。

 

皆既月食を撮すにあたり大事なことは、皆既月食の月だけ撮したのでは誰もが行うことで、グレードこそ差があるにしても単なる記念写真

 

そこで地上景色と絡めた星景写真がお勧めですが、今回は皆既月食の状況(約8時)では高度が高すぎて50mmあたりの焦点距離のレンズを使わないと地上景色と絡められません。

 

しかし50mmで撮した月は小さすぎて地上景色と絡めた場合、月の大きさを考えると200mmが必要となってきます。

 

ということで、200mmで撮せる印象深い見上げた景色が見つからないと地上景色と月食を撮すのは無理があります。

 

今回の月食の場合、地上景色と含めるのは難しいでしょうが、月の側に運良くプレアデス星団(M45散開星団)が存在しています。

画角的には70mmでバランスよく写せるはずです。

 

プレアデス星団を単に月食と絡めるだけなら簡単ですが、そんな写真を撮したところで単なる記念写真でしかありません。

 

そこで作品と言えるように撮影するにはどうしたら良いかを説明します。

 

・最低限必要なものは赤道儀

(本格的な赤道儀があれば言うことないですが、今回の撮影は70mmなので簡易赤道儀でも十分耐えられます。)

 

・次は公害カットフィルター(絶対ではありませんが、有るのと無いのでは確実に差が出ます。)

実際この2点があれば大丈夫で、星団を撮すからといって、運良く今回はプレアデス星団のため、星団に纏わりつく星雲は赤ではなく青白いため、天体改造カメラを使わなくても問題なく写ります。

 

プレアデス星団に纏わりつく星雲まで取り入れたいので、一枚撮りでは厳しいので、星に纏わりつく星雲が撮影後のバックモニターで僅かに分かる状態の設定が決まったら8枚くらいは撮しておきたいところです。(8枚から加算平均コンポジットを行い完璧な1枚を作ります。)

 

月食に関してもプレアデス星団とは全く露出に差がありますから、同じ設定では当然のように無理があるので、月食に合わせたベスト露出の写真も別途撮し、8枚から仕上げたプレアデス星団の月にピッタリ重なるように移植して完成です。

 

① 皆既月食とプレアデス星団を絡めた見本写真(イメージ)

 

 

② 2021年11月に望遠レンズ200mmで撮影した皆既月食

 

 

③ 2021年03月に実際に写した火星とプレアデス星団大接近