実は昨年にこの画像を見てからきになっちゃって↓

 

煮凝り、そう「フカヒレの姿煮」の涼風バージョン...結構大胆ですよネェ~。中国的発想では現時点で発想もつかない料理デス。フカヒレで冷たいバージョンは20年ほど前から日本では歴史があり、様々な料理人達が挑戦を続けています。

 

ターラ、ターラ♪私の記憶が確かなら...小さ目のフカヒレ姿を蒸して冷まして冷やし、切り身をいれて(フカヒレ自体は無味、そして硬い感じがロウソクみたいで...まあロウソクは食べてませんが(^^)/)ワサビ醤油で食すというのが最初じゃなかったかと思います、食べた印象は何も無理して刺身にしなくたってなぁ~と思いました。現在では当時のような硬さではなく、ソースを考えて提供している店が多数ありますナァ~。

 

そして進化系では“ヅケ”、散翅にしっかりとした味付け(中国黒豆風味が多いかな)で煮込んで冷まして冷やすタイプ、これは店によってになりますが基本的に旨しデスし、在りデス。さらに、小排翅を蒸す時にスープで炊き込んで味をいれて冷まして冷やし、その時のスープをゼリーやジュレにして散らばすタイプ、これもモチロン在りで旨しデスな! 他にもいろいろあるのですが、飛ばします。言いたい事はこの次からなので(^_-)-☆

 

最初のは確かに刺身デス、文句なく、ただ無理してネ~という感じ。そして日本中国料理の凄さはここから進化する事。ヅケバージョン、そしてお造りバージョンとなり...前出の「姿煮のままで煮凝り」はビックリしました。発想ですナァ~、常に頭の中で料理の事を考えていなければ出ない料理だと思います<(_ _)>

 

これを見たのは芝は三田、田町の中国料理「菩提樹」で去年(2016年)に食事した時でした。伊藤支配人から「白土さん、こんな賞味会もやってんだよ」といわれてご案内を見せてもらったら、七夕賞味会だったので終わっていたのですが、エー! って感じでした。インパクト大、「あ~、この手があったんだ~!」と衝撃を受けました。

 

そして一年後の「菩提樹、七夕の宴」、出席してきました~!!

 

 

     

 

   (^_-)-☆

 

ランチに来たり、記念日をお願いしたりと、伊藤隆則支配人と池上禎雄料理長、立川貴子副支配人にはお世話になっております。ここを紹介してくれたのは、俺の後輩で、俺の前職の佃・月島にある「上海ダイニング」で現在店長をしている下野義弘くんでシタ。まぁこの関係はここで書くとモノ凄~~~く長くなるからやめますネ。

 

こちらのお店は日本仏教会館にあり、元々創業者のご実家は京都のお寺で、世界に仏教を広めるためにアメリカ留学し、勉強と一緒に普及活動をされていたそうデス。そして性格から競争を好まない方だったそうで、この分野なら大丈夫だろうと研究を重ねて日本で会社を起業します、創業者のお名前は沼田惠範氏。そうです、あのマイクロメーターを1930年代国産化成功、日本の黄金時代を築けたのは正確無比な計測器があってこそといわれたジャパンナンバーワンといわれた企業を支えた「ミツトヨ」なのでした。そして本業では大成功を納め続けている創業者は中国料理への関心も深めます。仏教徒は切っても切れない精進料理、これは中国から日本の京都に入り現代に続くのですが、素菜料理専門レストランを立ち上げました、それが菩提樹でした...いや、これも長くなるのでこの辺にして、いろいろありまして現在は素菜料理にこだわらずに、美味しく楽しませ、根底である食医同源を根差した中国料理路線にシフトチェンジ。不夜城新宿のシンボル高級ホテルで常務取締役総料理長、現代の名工である、アノ方に料理監修をお願いした事から、新たなる菩提樹はスタートしたのデス。

 

   

 

山岡洋氏、元センチュリーハイアットで現ハイアットリージェンシー。小田急のフラッグシップホテルとして1980年創業。当時の取締役料理長は宮廷料理人といわれた蔡良氏で、ダイヤモンドホテル、赤坂飯店で修行、その後エームサービス(米国アラマーク社は世界19か国で国際的なイベントでの食事提供、例えばオリンピックの選手村などの管理運営を手掛けるリーディングカンパニーで、ココと創業からビジネスパートナーとして現在に至る)で栄養学から在庫数値管理などを任せられていた山岡氏は副料理長として就任、蔡氏を徹底的にフォローしながら厨房を仕切る。その後常務取締役総料理長、つまりホテルなのにフレンチや和食ではなく中国料理のトップが、日本有数のホテルで頂点を極めた方なのデス。そして最強鉄人、ムッシュ坂井氏には「白菜対決」で勝利、カップ麺もエースコックの依頼で手掛けながら、現在はご自身の知識や技を後進達に伝えたいという思いから『PRIVATE CHEF’S STUDIO 山岡』を2009年、千葉は市川市の行徳駅近で立ち上げる。今回の菩提樹での関りも、山岡シェフのライフワークの一つなのだ。

 

そして、もう一人。池上禎雄氏。旧東京ヒルトンホテル「中国料理・星ヶ岡」でキャリアをスタート、そしてアイアンシェフでMrパーフェクトとしてその名をさらに轟かせ、日本中国料理協会の副会長、トゥーランドットや一笑美茶摟などを手掛けるオーナーシェフ、脇屋友詞氏と出会い行動を共にする。ここにはその後の中国料理、上海系を進化させたヌーベルシノアの旗手たる人材が集結していた。その後メンバー達はさらに技を磨き、伝説の立川リーセントパーク内、中国料理「楼蘭」誕生する。副料理長であった新山重治氏は料理長となり、横浜パンパシフィックのトゥーランドット遊仙境、そして筑紫摟本店と料理長を務めあげて、現在は新宿と青山の二店舗を手掛け、その動向を注目されている「中国料理 礼華(ライカ)」のオーナーシェフなのデス。そして松島徹氏は、立川から羽搏くチームWakiyaの急先鋒、初代フレンチ鉄人の石鍋氏が手懸けたクイーンアリス迎賓館内の中国料理を手掛け、あの熊谷喜八氏が提唱する無国籍料理の魁であるキハチチャイナ料理長、そして銀座の老舗である「China Garden 銀座 麒麟」の総料理長として活躍していマス。池上氏は脇屋氏のすべての店舗でその手腕を発揮、今回は伊藤支配人との縁もあって、こちらの菩提樹で腕を奮っているのデス。

 

あー、「よろしくお願いいたしマース」。山岡夫人とご対面デース。中島先生との縁でFBでもお友達になっていただき、今日は初対面。料理もそうですが、お会い出来て光栄デース。伊藤支配人のご配慮で我々夫婦もご一緒の円卓でした。初対面なのにいろいろと気さくに話しかけていただけて、ホント感謝でした、ありがとうございマス。今日は楽しい宴になるなぁ~(^_-)-☆

 

お、そこに山岡先生が登場。結果的ではありますが、ご夫妻のツーショットでえす!!

    

...声が拾えて無いですねぇ~...ま、でも場の雰囲気は伝わりましたよねぇ~。非常に和やかな雰囲気です。一日早いけど、七夕の宴、カンパーイ~(^_-)-☆

 

   1品目!

              口福美彩碟

       ~夏の香りオードブル、口福の飾り盛り~

お~、これはコレは、見事なズッキーニの船盛デス。美味しそうですね~、いただきマース! ますは向かって左側の「刺身湯葉のチーズ焼き」を...合いますネ~、なめらかな刺身ユバにマッタリと風味良しのチーズ焼き...下のオレンジ?みかん?...名前忘れましたが、風味をUPさせマス。そして「酔っ払い海老」は後程の楽しみとして、真ん中の「夏野菜ピクルス風」...酸味とほのかな甘味と辛味で“辣素菜”の技法にアレンジでフルーツ系の酢ですかね~、食欲増進でシャキシャキ、茗荷、胡瓜、パプリカで彩りも豊デス。はい、来ましたね~「蝦夷アワビを生春巻きで、明太子を添えて」。さて、これは一口で...ウン、ウン、ウン! キッチリと仕上げた蝦夷アワビは臭みもなく、ほど良い柔らかさで旨味十分、そこに明太子の風味が咀嚼すると重なりマス。この二つの間にある生春巻きが絶妙な調和をさせて...あー美味しい、幸福、口福なり。そして右端は「焼きモロコシとカボチャの衣揚げ」は新鮮なトウモロコシならではの自然な甘さでプッチプチ、そしてカボチャもホクホクと旨しデス。さて酔っ払い海老、「牡丹海老の老酒漬け」行って見よう...さてと尾と頭部を両手で持って、身の部分をペロッと...くぅ~、この風味、そして食感がトロッとね~...う~ん、ウンメェ~、臭みは当然無し。さぁ~て角外しで頭部の殻を外してと、ズルッとネ...カァー、もちろんココでカメ出し紹興酒をグビーっと...おととと...カァー、ウメェ~!!

  

     

 

しっかりと、楽しみました。あ、ちなみにズッキーニはこれでお役御免ではなく、ちゃーんと利用されるそうデスので、ご安心下さい。食材を大切にするのは当然ですからネ~(^_-)-☆

 

 2品目!

         海鰻茄子燉

 ~賀茂茄子と鱧の極上金華ハムスープ、九条葱添え~

さて、スープはこのフタを取ってその香りがね、フワッと...ほぉー、スッキリとした素敵なこの香り。レンゲで...ウン、間違いない。スープはホント奥深い。時間をかけて作り出されるベース、最後の味入れで台無しになる場合もあるし、コチラで出されるような更に昇華させる事も出来る、旨し。鱧と茄子がまた優しい仕上で食べても旨しで、九条ネギならではの風味が嬉しいですね~。喉元を通り胸の中心から胃までを通り過ぎる熱いスープが、食欲を刺激しマス...あ、ロックでお願いしマース(^_-)-☆

 

  

              旨いスープは酒をすすめますナァ~!!

 

    

 

 

     そしてついに登場です、コレだぁ~↓

   

 

   3品目!

          氷滑玉露翅

  ~冷フカヒレの姿煮、ゼリー寄せ ハーブサラダとともに~

これがネ~、食べたかったんだぁ~、いただきマース!! ...当然だよネ~、旨し!!! 

 

フカヒレは蒸して味入れする広東風、そしてどちらかというとジュレではなくてゼリーのほど良い硬さで口の中でジワジワとけてソースとなる...冷たいモノは身体に良くないという思想が根付いている中国本土では在り得ない料理デス...が、日本中国料理ならではの逸品。発想の自由さと突き詰める探求心は、より研ぎ澄まされてシンプルになる。奥深し中国料理、そして素晴らしい日本中国料理。山岡先生~、旨いっス(^_-)-☆

 

     

 

「そーなんですか、奥様はアカハン(赤坂飯店)からの出会いなんですね~」山岡先生を語る時、奥様を欠かす事は出来ません...って、自分もというか、世に在る男供はみんなそうですよネ~。が、しかーし、お二人はまた群を抜いて仲が良いというか、一体なのでしょうね。山岡先生なくして奥様は在り得ないし、奥様なくして山岡先生は在り得ないのでしょう。今日はお二人にお会い出来てホント嬉しいデース(^_-)-☆

 

   4品目!

           苦瓜烹花蝦

     ~ニガ瓜と花切り海老のトロピカルフルーツ炒め~

 

池上シェフらしい、斬新なドラゴンフルーツ皿ですナ。調味料では甘さを加えずにフルーツの酸味と甘さで勝負デス。このバランス感覚は持って生まれたセンスでしょう。こういう料理が出ると普通は大丈夫かなぁと思うのですが(フルーツの炒め過ぎとかネ)、菩提樹で出るとワクワクします。期待を裏切る所か、新しい味覚との出会いは嬉しいデス、美味しくて安心な一品デス( ◠‿◠ ) V

 

     

 

「どうですか、楽しんでますか?」と伊藤支配人...実はこの度レストラン菩提樹の社長に就任デス、おめでとうございます! 伊藤社長はプリンスホテルからこの業界スタート。その後、モリハナエさんが表参道の自社ビルで名店「オランジェリー・ド・パリ」(その後店名変更で「ル・パピヨン・ド・パリ」、その後ビル建て替えで閉店、シェフは上原雄三氏でこちらの店出身者で現在活躍してるシェフは多い)にて支配人、その後脇屋氏のトゥーランドットを経て菩提樹の責任者として勤務。日本ホテル・レストランサービス技能協会(通称ホテレス)では理事としてサービスマン育成にも尽力されていマス。ちなみにこの協会はサービス技能検定が国家資格として認定されており、中国料理では「食卓作法講師」という資格検定もしており(これは国家資格ではありません)、私はこの資格認定を合格しております。「いや~、来て良かったデス、伊藤支配人、あ、じゃなくて伊藤社長!」「まーたまた、そういえばさぁ...」などと気さくな会話術、炸裂で気分は上々ですナァ~、ありがとうございマス、伊藤社長!!

 

    5品目!

            水煮鹿肉片

         ~シカ肉の辛子煮込み、パスタを添えて~

赤身肉でしっとりと仕上げるのに鹿肉は最適。水煮は四川の代表料理的調理方法デス。そもそも中国では牛は食べるためというか労力として活用しており、老齢化などでお役御免になると食べられていた。当然筋肉質で硬い肉なので水からよ~く煮込む事になる。そして臭みを取るためと味付けは塩で始まった料理。歳月は流れて唐辛子が食用として登場して一気に拡散、また食用油も大量生産と普及で、特に四川では「晴れると太陽を見た犬はビックリして吠える」というコトワザがあるのだが、通年を通して曇りがちでしかも広大な盆地なので「夏は極暑で冬は極寒」という厳しい環境から代謝がうまく行かないで病気の素となるので、食べる事で汗をかく知恵が生まれる。四川料理が辛いのは環境からきているのだ。唐辛子や山椒をふんだんに使用して最後に熱々の油を加えて仕上げる現代版の「水煮」はこういて出来たのだ。こちらの料理はさらに洗練させているので、原型からは想像出来ない仕上がり、ただ食べると優しい辛さと旨味はしっかりと水煮なのデス。また、油にまみれる料理を食医同源を意識しているのでスタイリッシュな水煮料理となりましたナァ~。また、パスタは麺ですから中国からという説もあり、ソースと絡ませる意味では、中華麺ではなくてフィットチーネ系が合いますよネ~。肉は煮込みではなく後入れで、旨味を損なわず仕上がってマス。美味しゅうございました~(^^)/

 

   6品目!

           翡翠炸鯛魚

         ~真鯛のカリカリ揚げ、翡翠ソース~

これデスよ、コレ。皮のカリカリ具合がいいですネェ~。そして中身の白身魚のフワフワ感。噛む瞬間のお互いのギャップが旨さですナァ~。そして翡翠ソースがさらに風味を引き立てマスなぁ~。青豆ベースで見事な彩り!!

 

 

    7品目!

          ~烏龍茶什菜~

             夏野菜のウーロン茶漬け風

 

    

 ・・・ちょっと驚きました、そして感動。今回は冷フカヒレ姿煮ゼリー寄せにばかり関心を向けていたのですが、全ての料理に手間と工夫がなされており、大満足の連続でした。そして〆のこちらの料理はまさに脱帽デスナ~。まず、健康志向的観点では「脱・炭水化物」が叫ばれておりますから、あくまでも“お茶漬け風”なので、米はなしでカスっいるのは揚げ春雨(原料が緑豆)位で他はベジタボーなのデス。そしてネ、見て下さい、大きさが均一ではないのデス。こういう場合に中国料理的には材料の大きさを揃える事が大前提なのに...あー...アー、凄い、お茶漬けだわ、コレハ...見た目は夏野菜が不揃いな烏龍茶スープ...しかし、食してみるとその不揃いに切られた食材は巧妙に計算されており、口の中に入ると絶妙なバランスを奏でる...まさに『お茶漬け』デス。夏場の食欲が落ちる時に、栄養促進に繋がるのは旬の野菜。これならば炭水化物大好き人間である俺でも納得の〆デス。いや、まいった、まいった。ホント、こういう料理との出会いは幸福、口福デス。ありがとう、菩提樹さん!!

 

クウイーっとネ、あ、オカワリをお願いしマース。健興通商もいいけど俺らの働き始めた時は、塔牌が市場を占めていたと思いマス、そう、紹興花彫酒として...品質、そして宣伝。宣伝しないからこその本物感。表に出来れていない紹興酒は旨さという曖昧な価値基準に左右されながら、なんとな~く漂ってマスなぁ~、そもそも老酒にする必要のない醸造酒、それゆえの「その他の雑酒」。逆手に取る手はいくらでもあるのに・・・ま、いいか(^_-)-☆

 

ここで、今回のデザート登場↓

  

 

最近、池上シェフはデザートに凝っているようデス。自家製アイスクリームとかネ(^^)/

 

   

...でもネ、一番力をいれたのは「氷の器」なのデス。風船を使うと力説、秘密は...本人に聞いて下さい。

 

     8品目!

          ~菩提樹氷淇~

      菩提樹特製、タロイモ冷し汁粉と季節のフルーツ

  

     美味しくいただきました、それでは伊藤新社長より締めのご挨拶~(^_-)-☆

 

 

楽しませていただきました。来て良かった、素敵な時間をありがとうございました。皆様、菩提樹の宴、楽しい食事会デス。今日はお疲れ様でした~!...あ、ありがとうございマス...あ、お願いしマース、パシャ!!!

 

     9品目!

 

奥様、山岡先生、ありがとうございマス。そして伊藤社長、池上料理長、立川副支配人、素敵な2017年の七夕の宴、思い出に残る一夜でした(^_-)-☆

 

★ Private chef'S stadio 山岡

   http://www.cm-tokyo.com/yamaoka/

 

★ 港区三田・芝の田町 中国料理 菩提樹

   http://mita-bodaijyu.com/

 

 

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