今日は2014年の9月26日デース!
ヤバイ、ヤバイ。四谷から店まで歩く時間を甘く見ていた。清々しい街を早足で
進みながら30年前に聞いた記憶が蘇る。「皿の上に、僕がある」という当時
では珍しい(今でもあまりないかな?)、料理人個人の写真集でありエッセイ。
そう、日本フレンチ界の重鎮であり、こちらのレストラン「オテル・ド・ミクニ」の
オーナーシェフ、三國清三/ミクニキヨミ氏のお店が会場デス。
受付を済ませ、店内を見るとほぼ満席状態。さてさて、どうしようかなとキョロ
キョロ...する間もなく、ど真ん中のテーブルを見て固まった。
中国料理界初のソムリエで、我が横浜大飯店の榎本取締役。そしてサービス
部会の初代と四代目会長で新橋亭の歴代責任者二人、鈴木さんと丸井さん。
そしてそして、広東料理についての造詣は誰よりも深く、サービス部会の
酒仙人の一人で大先輩の野坂さん。なんと珍しいメンバーだ!
「白土君!」と酒仙人。
「お疲れ様デース、でも先日お電話で...」
「ここ座っていいよ」と聞き耳持たずの酒仙人。
「...私ごときがよろしいんですか?」
「どうぞどうぞ、それでは皆様、また後程」と逃げ出す大先輩。
「はーい、またね。もう始まるから座っちゃいな、白っちゃん」と榎本取締役。
「失礼します、お疲れ様デース!」
と、タイプの違う酒仙人は、酔っ払いブースへと移動。中国料理界のジェントル
メン三名と同席させていただきました。
今日は新橋亭で現在お世話になっている下野君かMr.パーフェクトの大番頭で
誠心調理師出身の大先輩である杉山さんの席にしようかと思っていたのだが
歴代会長のお二人は非常に気さくな方々で、昔の話も詳しいし、取締役も以前
の中国料理界について、かなりご存じだ。よし、今日は美味しい料理と知りたい
話がいろいろ聞けるかも知れない。楽しみだなぁ~、という事は、こういうチャン
スを作ってくれた酒仙人に感謝デス、さすが野坂大先輩。
「皿の上に、僕がある」、いるではなくて「在る」のだ。その存在感は圧倒的
だと三國氏を知る人はいう。北海道のホテルにバイトで入り正社員になるも
上を見続けた青年は東京に向かい、一流といわれる帝国ホテルに潜り込む。
料理を直接出来ない見習いの立場、めげない精神は「目の前の仕事」に全力
でぶつかる。その仕事ぶりを見ていたトップの故ムッシュ村上氏は、ご自身の
下積み時代と同様の道を歩ませる。
2年間の主業務は鍋洗い、そして運命の大抜擢!
う~ん、凄いお話です↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%9C%8B%E6%B8%85%E4%B8%89
拍手に包まれながら、三國氏は語り出した。この場所から始まり隣を買取り、
現在の規模になった事。そして我々の目の前にあるショープレは創業時の物を
今日はセレクトしてくれたそうだ。
オープンにあわせてご自身でデザインした最初の作品。季節ははずれて
いるがサービスに携わる我々に、ぜひお見せしようとのご配慮に感謝です。
中国初進出の出店と撤退。商慣習の違いや食材、そして現地人の考え方など
包み隠さずお話する姿勢はまさに自然体。「テレビ一本撮るのに一年かかり
ました」と笑ってました。
★ 転んでも転んでも~三國清三の上海進出1000日
フジテレビ/ザ・ノンフィクション
http://tvtopic.goo.ne.jp/program/info/672000/index.html
...乾杯も終わり、お話は続いておりますが料理がまだ出てきません。すると
来ました、来ました、これはキッシュ!?
アミューズ,,,この定義はなんだろう?
そもそもオードブル(前菜)は“作品の外”という意味で本来のフルコースでは
最初のスープからが正式となるので含まれない。しかし現代ではコースに組み
込まれて最初に出される料理という流れとなりました。アミューズの発祥は、
1970年代から始まったヌーベウキュージーヌという動きが始まった頃からで、
そのヒントは日本の“先付”だったそうです。
http://r.gnavi.co.jp/g-interview/entry/1206
そして、今、目の前にあるコチラが
★ 四ツ谷名物のアミューズ、「タルトオニオン」
・ 創業当時から支持され、名物になった。
・ フレンチのキッシュと日本の茶碗蒸しをイメージして創られた。
では早速、頂きましょう。スプーンを手に取り、小さい三角形を切り取り口に
運びました。温かくふっくらした食感が心地良い。なめらかなソレは口の中に
広がり、そして蕩ける。まさに「口を楽しませるモノ」です。
これから始まる食事、そしてその期待を膨らませるアミューズ。至福の時間は
三口で終了。ちなみにショープレート、そしてアミューズを日本に広めた人物
の一人が三國氏なのです。
「さあ、さぁ、温かいうちに召し上がって...(周囲を見回して苦笑)、皆さん
早くお食事したいようです。それでは私は厨房に戻って皆様の期待にお応え
しましょう」とご挨拶されて、戦場に戻っていく三國氏。
そう、計算された演出、そしてアミューズはシェフのおしゃべりまで入っていま
した。我々は完全に三國シェフに乗せられて、ワクワクしながら料理が来るの
を待つのでした。