個人事業主の消費税(簡易課税の選択) | 税理士 K-nosuke の言いたい放題

個人事業主の消費税(簡易課税の選択)

そろそろ年末になってきましたが、

個人事業主の方は、12月がいわゆる決算月ということとなります。

12月の末で締めて、確定申告を3/15までに実施することになりますが、

今回は、消費税の観点から見ていきたいと思います。


すでに消費税の納税義務のある人は関係ないですが、

平成26年の売上が1000万円を超えた個人事業主の人は、

来年(平成28年)から、消費税を納めなければならなくなります。


そのような個人事業主の方は、この年末において検討すべきことがあります。

それは以下のとおりです。


1.簡易課税の選択

2.法人成り


今回は、簡易課税の選択について


1.簡易課税の選択

 まず最初に、来年(平成28年)から「簡易課税」による消費税の計算をしたい場合には、

今年の12月31日までに税務署に届け出る必要があります

さて、その簡易課税とは何なのか?


 通常、消費税は、「預かった消費税-支払った消費税」を納めることになります。

預かった消費税とは、自らの売上の中に含まれている消費税、

支払った消費税とは、何か購入する際に含まれている消費税です。

もし、支払った消費税のほうが大きければ、消費税はいくらかもどってくることになります。

この場合は、預かった消費税と支払った消費税の両方を管理する必要があります。


 しかし、消費税にはもう一つの計算方法があります。

それが「簡易課税」です。

簡易課税は、「預かった消費税-(預かった消費税×○%)」で納めることになります。

預かった消費税は変わらないのですが、

支払った消費税は一切無視をし、預かった消費税の○%を引くことになります。

これによって、計算が「簡易」なるということです。

(ただし、課税売上高が5000万円を超える事業者は、簡易課税を適用できません。)


その○%は、以下の業種の区分によります。

この率を「みなし仕入率」といいます。


第一種事業(卸売業)・・・90%

第二種事業(小売業)・・・80%

第三種事業(製造業・建設業他)・・・70%

第四種事業(飲食業・固定資産売却他)・・・60%

第五種事業(金融保険業・サービス業他)・・・50%

第六種事業(不動産業)・・・40%



基本的には、通常の方法か簡易課税か、どちらが消費税を少なくできるか、

有利な方を選択します。

その方法としては、今年1年間(途中まで)でどちらが有利かを計算して消費税を出してみます。

(消費税を納めると仮定して計算します。)


ただ、仮にこれで「簡易課税」が有利になったとしても、

将来的に、大規模な設備投資を予定している場合には、

もしかすると、通常の方法が有利かもしれません。

何故なら「支払った消費税」が多くなるからです。


このような計算方法を、来年から適用したい場合は、

今年の12月31日までに提出しなければなりません。

ただし、年末なので、12月31日は当然税務署は空いておりませんので注意が必要です。

方法としては、


①12/28までに窓口提出

②12/31までの消印で郵送提出


となります。

ちなみに、年末年始中に税務署にある時間外投函箱にいれると、

来年の1/4収受扱いになってしまうため、絶対にいれないでください。


次回は、法人成りの検討について話をしたいと思います。

では。


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