税制改正大綱 所得税編 | 税理士 K-nosuke の言いたい放題

税制改正大綱 所得税編

平成25年度税制改正大綱が発表されました。
消費税の増税による逆進性の対応から、富裕層に対する課税強化、設備投資の促進、雇用の促進などが図られているようです。
税制改正大綱は通常ですと、12月中頃に発表されますが、今年度は衆議院の選挙があり、1月にずれ込んでしまいました。法案が通るのはおそらく4月末くらいではないかと思います。

今回は所得税について、見ていきたいと思います。



1.課税所得が4000万円超の人の税率が45%

現行では、課税所得が1800万円超の人の税率は40%で、この40%が最高税率となっています。
今回の改正では、課税所得が4000万円超の人の税率が45%にアップし、この税率が最高税率となります。

消費税の税率アップのからみもあり、富裕層に対する課税強化が図られています。


今年から、年収1500万円超の給与所得控除が245万円で頭うちとなりますが、このことからも課税強化が図られていると言えます。


消費税は逆進性の税金と言われ、低年収の人ほど相対的に負担が重くなるとされています。よって税率が高くなって低年収の人の負担が重くなることを受け、そのぶん富裕層に負担してもらおうというものです。

ただ、課税所得が4000万円超の人は、ごくわずかでしかないため、影響受ける人は少ないと思われます。


この改正は、平成27年分以降の所得から適用されることとなります。





また今回の改正ではないのですが、

今年の1月から以下のものが施行されました。


(1)復興特別所得税の創設


平成25年1月1日以降の所得から、復興特別所得税が課されることとなりました。

復興特別所得税は、従来からの所得税にプラスして、所得税の2.1%を上乗せするものです。


受け取る側は、税金が多くひかれているな程度かと思いますが、

実務上は少し面倒です。

報酬の源泉税の計算や、配当金や預金利息の計算の際は特に面倒です。

これらの計算などについては、別途後ほど示したいと思います。


この規定は、平成49年までの25年間適用されます。

ほぼ恒久的ですね。




(2)年収1500万円の給与所得控除が245万円で頭打ちに


今年から年収1500万円以上の人は。給与所得控除額が245万円で

頭打ちとなるため、増税となります。

 

例えば、年収2000万円の給与所得控除額は、

平成24年までは

 2000万円×5%+170万円=270万円ですが、

平成25年(今年)からは、

 245万円


となります。


給与所得控除は、サラリーマンの必要経費のようなものとイメージできればと思います。

個人事業主が必要経費を収入から引いて、所得を算出するように

サラリーマンも給与収入から給与所得控除を引いて所得を算出します。


必要経費は人それぞれ違うとは思いますが、

サラリーマンについては、すべて一律に控除額が定められています。

ただ、実際にサラリーマンがそれだけ経費を使っているかというとそんなことはないと思います。


給与所得控除額は最低でも65万円となります。

これを月あたり換算すると、5万4千円です。

仕事するうえでの自分の負担が、その額まで届くことはあまりないと思います。

会社に雇用されているため、大抵のものは会社の経費となります。

したがって、給与所得控除を受けられるサラリーマンは、個人事業主に比べ有利にできているといえます。


また給与所得控除は、給与収入に比例して増えることとなっています。

したがって、給与が増えれば増えるほど、給与所得控除の恩恵を受けられることとなります。

ただ、年収1500万円以上の人の給与所得控除額は、一律245万円で固定となってしまいます。



それでは今回はこのへんで。