雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)について
会社が、景気の悪化などによる業績不振で、事業活動の縮小を余儀なくされ、
従業員に休業を命じたりした場合には、会社の都合による休業なので、
休業中は、最低でも、平均賃金の6割の休業手当を支給しなければなりません。
しかし、実際に勤務をしていない従業員に賃金を支払うことは、
会社にとってはとても負担が大きくなります。
そのような場合に、この休業手当を補てんするための助成金制度が
設けられています。
この助成金を「雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)」
といいます。
(中小企業緊急雇用安定助成金は、雇用調整助成金を中小企業向けに
拡張したものです。)
受給要件は次のいずれかを満たした場合です。
①売上高等の直近3カ月の平均が、その直前3カ月又は前年同期比で5%以上減
であること。
(ただし、直近の決算の経常損益が赤字であれば、5%未満の減少でもよい)
②円高の影響による売上高等の回復が遅れている場合には、
売上高等の直近3カ月の平均が、3年前同期比で15%以上減であり、かつ、
直近の経常損益が赤字であること。
今回の震災を受け、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉、新潟、長野県
のうち、災害救助法適用地域に所在する事業所では、上記の「3カ月」が
「1カ月」に短縮されます。
また、災害救助法適用地域以外の場所でも、場合によっては「1カ月」に短縮
されます。
また、助成金の額は、
中小企業:平均賃金日額×(4/5 ~ 9/10)×休業日数(時間数)
大企業:平均賃金日額×(2/3 ~ 3/4)×休業日数(時間数)
ただし、助成金の上限額は、1日7,890円(平成23年8月1日現在)となります。
また、支給限度日数は3年で300日が限度となります。
売上の減少により、従業員の解雇を考えたりするケースも出てくると思いますが、
解雇は従業員にとって負担が大きく、会社にとっても貴重な人材を手放すことと
なります。また訴訟の問題も発生する可能性もあります。
このようなことから、解雇を検討する前に、助成金の受給の検討をオススメしたいと
思います。
この助成金の会計上の処理は、
基本的には、営業外収益の「雑収入」に計上します。
(消費税は課税対象外)
また、決算時点で、その事業年度に該当する助成金がまだ入金してない場合は、
未収計上をすることとなります。
金額が具体的に確定していない場合でも、見積で未収計上をします。
企業経理の方はご確認をお願いします。
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