個人が支払う震災関連寄付金について | 税理士 K-nosuke の言いたい放題

個人が支払う震災関連寄付金について

東日本大震災により、被災地に向け何らかの形で寄付をされた方が

多いと思われますが、今日は個人が支払う震災関連寄附金等の

取り扱いについて、お話をしたいと思います。


個人が震災関連寄附金を支出した場合には、

所得税の寄付金控除と住民税の寄付金税額控除を受けることができます。


震災関連寄附金は、国や地方公共団体(著しい被害が発生した地域)に

対するものや日本赤十字社に対するものなど、財務大臣が指定したものが

対象となります。(下記アドレス参照)

したがって、例えば、コンビニにおいてある募金箱や街頭募金に対しては

寄附金控除の規定を受けることができません。



所得税の寄附金控除の計算は以下のとおりです。


  震災関連寄附金の合計額 - 2,000円 = 寄附金控除額(所得控除)

  ※ただし、総所得金額の80%(平成23年~25年のみの特例で、それ以外は

   40%)が限度となります。


  また、特定震災関連寄附金(NPO法人に対する寄付金等で一定のもの)

  に該当する場合には、以下の税額控除を適用することができます。(有利選択)


  (特定震災関連寄附金の合計額 - 2,000円)×40% = 税額控除額

  ※ただし、所得税額の25%が限度となります。


住民税の寄附金税額控除の計算は、以下の2つの合計額となります。


  (震災関連寄附金の合計額 - 5,000円)×10% = 寄附金税額控除額

  ※ただし、総所得金額の30%が限度となります。


  <ふるさと寄附金に該当する場合>

  (ふるさと寄附金 - 5,000円)×(90%-所得税率) = ふるさと寄附金控除額

  ※ただし、住民税所得割の10%が限度となります。



この寄附金関連の控除を受けるには、所得税の確定申告をする必要があります。

住民税については、所得税の確定申告を基に、各市区町村で税額計算をして

もらい(税額控除も計算してもらい)、通知書どおりに納付(給与所得者は給与

から控除)することとなるため、住民税としては特に申告をする必要はありません。

また、確定申告書には、寄附金の領収書等の添付が必要となります。


もし、寄附をご検討される方は、このような特典があるということを

認識していただければと思います。

感覚的には、国に税金を納める代わりに、被災地にお金を渡すという

イメージで思えばよいと思います。


また、この寄附金控除の規定は、今回の東日本大震災の寄附金だけではなく、

従来からあるものです。今後、東日本大震災以外の件で寄附をする場合にも

参考にしてみてください。



ただここまでいろいろお話をしましたが、個人が寄附をするしないは自由であり、

強制するものではありません。

今回の話は、寄附をすれば寄附金控除を受けることができるということを

言いたかっただけですので、もし寄附をしたのであれば、

ぜひ参考にしていただければと思います。



<参考>

東日本大震災に係る義援金等に関する税務上の取り扱いについて

http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h23/jishin/gienkin/toriatsukai.htm




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