自分の本音とつながり
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完全一対一コーチングでサポート


異文化コミュニケーション歴20年

 🇩🇪ベルリン在住ライフコーチ

    木村グロース暢子(ようこ)です

>>>自己紹介

 

「ドイツ人」と聞いて

どんな人物が浮かびますか?

 

メルケル元首相?

 

サッカー伝説のゴールキーパー

オリバー・カーン?

 

あるいは、アインシュタイン?

 

いわゆるドイツ人って

真面目で頑固で融通が効かない

イメージがないでしょうか。

 

ドイツに移住してから確かに、

市役所やバスの運転手さん、学校の先生など、

融通が効かない対応は山ほど見てきました。

 

ただ先日、そのイメージを360℃

ひっくり返すことが起きました。

 

 

 

 

融通が効く、効かない、

のように使われますが、

先日この融通についてとっても深く

感激したことがありました。

 

どこの国に住んでいても、どの地域にいても、

これが人と人との関係性を深めるヒントだな、

と思ったエピソードをシェアしたいと思います。

 

 

それは、今週月曜日に行った産婦人科でのことです。

 

もうかれこれ10年くらい、

同じ産婦人科の同じ先生にかかっているんですが、

今回は年に一度の、子宮頸がん検診と

乳がん検診で行ったんですね。

 

 

ドイツに来てから12年の間に、

実は3回の妊娠と流産を経験しているんですが、

それを全て、この先生が診てくれていて、

その度に人間的なあったかい対応を

してくださったんですね。

 

そんな訳で、

 

彼女には全幅の信頼を寄せているのですが、

今回もその先生に検診してもらいました。

 

 

日本では2004年から、40歳以上の女性は

2年に一度のマンモグラフィ検査が推奨されていますが、

ドイツではどうなのかと今回、

検診の最中に先生に伺ってみました。

 

ドイツでは今のところ50歳以上が対象なんだけど、

今は、ドイツでは7人に1人の確率で

乳がんが見つかる時代。

 

もし今、どうしても心配で

マンモグラフィを受けたいんだったら、

いつでもすぐに診察にきてね。

 

触診で何か疑わしいものを触ったことにして

マンモできる病院に紹介状を書いてあげるから

 

そう言って、ウインクしたんですね。先生が。

その一瞬のウインクから私が受け取ったのは、

こういうメッセージでした。

 

あなたのこれまでの履歴、

そして現状は重々理解している。

 

私はそれに対して、できる限りのサポートをしたい。

現状の社会システムが、そのサポートの邪魔をするなら、

私は法に反することのない裏道を知っているし、

そのために自分の医者としての権威を

うまく利用することをいとわない

 

 

これが、私が今回深く心を動かされた、

人間的な融通でした。

 

 

ちょっとレベルは違いますが、

例えば第二次世界大戦中、

シンドラーのリストで知られる

オスカー・シンドラーも、

 

この融通(機転、とも言いますが)、

それを効かせた人の1人ですよね。

 

 

人間が生きる上で、

根源的な精神的欲求は四つと言われていて、

それは何かというと、

 

 

1) connection/ bonding

相手との繋がりを感じること

 

2) orientation

自分のいる環境でどんな行動が求められているのか、

その規範を知ること。

社会的な行動の基準を知ること。

 

3) self efficacy

自分の行動がポジティブな結果につながること

 

4) enjoyment

楽しさを感じること

 

 

相手のために融通を効かせることは、

そして効かせてもらったことを受け取ることは、

相手とのコネクションを感じたい、感じていたい

という根源的な欲求につながるんですよね。

 

 

さて、融通を効かせるためには、

相手のニーズを知ること、共感力が必須ですし、

 

そこから自分がどう動けば

相手のためになるのかを考えて動く

という行動力も求められます。

 

 

自分のリソースを

相手のために使うこと。

 

 

このプロセスが、相手と自分との

コネクションを感じさせる大きな理由なんですね。

 

 
 
ここまで読んでくださった貴方にはこれまで
誰かに融通を効かせてもらったことはあるでしょうか?
 
あるいは、あなた自身が、
誰かに融通を効かせたことはありますか?

 

 

その思い出はきっと、

相手との繋がりを感じる経験として

心に残っているんじゃないかなと思います。

 

 

決して自分を犠牲にする訳ではなくて、

私のできることであなたのお役に立てるなら、

という気持ちがベース。

 

 

 

日本語には「恩送り」という

とても素敵な考え方がありますね。

 

今回、この言葉も思い出しました。

 

恩を返すのではなくて、送る。

自分がしてもらった嬉しいことを、

他の誰かにもしてあげる。

そうすることで良い関係を広げていく。

 

 

今回、産婦人科の先生から、

いざというときは融通を効かせるよ、

というオファーをいただいたことで、

 

恩送りとして、私も融通を効かせるべき

特定の人物を思い浮かべているんですが、

それはまた次回お話しようと思います。