私の母は1976年にJWと出会ってから順調にバプテスマへと進み、まだ幼い3人の娘がいるのにも関わらず間もなく正規開拓者となりました。正規開拓者というのは当時月平均90時間を野外奉仕のために捧げていた、末端信者の中のエリート(?)です。

 

母は専業主婦でしたが野外奉仕のために主婦業は後回し、そして子供たちは母の足を引っ張る邪魔者に成り下がってしまい、その事を私たち三姉妹は非常に不満に思っていました。

 

母が開拓者となって間もなく、三姉妹は手を取り合ってある誓いを立てました。

 

1.子供として家にいる間は母に合わせてJW活動を行なう。

2.絶対にバプテスマを受けない。信者になってしまうと、やめる時に大変。

3.独立して家を出たらきれいさっぱりJW活動から足を洗う。

 

子供たちを抑圧してまで宗教活動を押し付ける母への最大級のしっぺ返しです。

 

それなのに私の姉は高校に入学して間もなく、チャラっとバプテスマを受けたのです。

最初はびっくりしましたが、それには姉なりの理由がありました。

 

小さい時からヒコーキオタクだった姉は一般的な女性が目指すフライトアテンダントではなく、エンジニアとしての道を進みました。そんな彼女が選んだ工学系の高校は、一部の優秀な学生のための実習校も用意していました。

 

ほぼ全員が男子というクラスで早くも能力を発揮していた姉に、九州にある小さな飛行場で実習を行ないながら専門の資格を目指すのはどうかという提案が出されました。

二つ返事でその提案を受け入れた姉は突然JWとしての活動にも力を入れ始め、集会でのコメントや野外奉仕に積極的に参加して母を喜ばせました。

 

そして実習校に移ってからもきちんとJW活動を続ける事を母に約束し、全くもめることなく九州での一人暮らし(学生寮は男子専用)を許されたのです。

 

もともと聡明で行動力のある姉でしたが、実に見事、鮮やかな転身でした。

 

バプテスマを受けた動機には打算がありましたが、姉は九州でのJW活動を楽しんでいたようです。

東京よりも大らかで自由な環境、それに豊かな自然もあったので姉と同じバイクが趣味の若い二世たちと定期的にツーリングに出掛けたりしてJWとしての日々も満喫していました。

 

しかし、卒業後に就職した地方の会衆でガチガチの長老に目を付けられ、事あるごとに服装や化粧などで助言を受けるというみみっちいイジメを受けて我慢の限界に達した姉は「JWやめます、断絶します。」と宣言してしまいました。

 

ガチガチ長老は姉をそのまま断絶させようとしましたが、もう一人の優しいT中長老が「断絶するとあなたが色々不便するから」と姉を一生懸命説得して何とか「自然消滅」のような形で、穏便にJWから去ることができるように取り計らってくれました。

 

確か北海道出身の兄弟だったはずです。

〇川会衆のT中長老、あの時は本当にどうもありがとう。

感謝しています。

 

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以上が姉の話ですが、結局最後まで三姉妹の誓いを守ってバプテスマを受けなかったのは妹だけでした。

 

私は年齢の近い姉と一緒に行動する事が多く、両親も可愛い妹をいつも手元に置きたがっていました。だからこのブログでも妹より姉とのエピソードが多くなってしまいますが、口の悪い姉たちと違って妹は本当に性格の良い癒し系キャラです。

 

ただ、上の二人が順番に家を出て行ってからは母の期待とフラストレーションを一身に受ける立場になってしまい、JW二世として一番苦労をしたのは間違いなく妹だったと思います。

 

成人した妹がついに家を出た時、私は東京から遠く離れた街にいたため母に電話をして妹の新生活について尋ねました。母はこう答えました。

 

「ふん、早速男が出来ていたわよ。」

 

成人した一人暮らしの女性に彼氏がいたって別に何の問題もありませんが、この下品な言い方は何なんでしょう。婦人公論の読み過ぎでしょうか。母に対してひどく腹が立ったので、彼女の発言を妹に言い付けてやりました。

 

妹は「…男?」としばらくポカンとしていましたが、やがて「あ~分かった分かった!」と言いました。

 

妹の説明によると友人とその彼氏が引越しの手伝いに来てくれて、片付けが終わった三人でコタツに入って休んでいる所に母が訪ねて来た、という事です。

 

誤解される要素ゼロです。

 

もちろん母もその状況を正しく認識していたことは間違いありません。

 

しかしJW活動を止めて「この世の会社」に就職し、一人暮らしを始めた妹に腹を立てていた母は悔し紛れに妹の悪いイメージを私に植え付けようとしたのです。

 

悪いイメージは丸ごと母に返ってきました。

 

この件に限った事ではありませんが、

とにかくやってることが茶番です。

 

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三行くらいでサラッと書くつもりだった姉と妹の話が思ったよりも長くなってしまったので、プー子本人のエピソードは次回に続きます。

 

引っ張ってごめんなさい。

 

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母の茶番劇場に興味のある方はこちらをご覧ください:

https://ameblo.jp/kru-mi/entry-12592420214.html