* カンボジアトラベルノート特派員通信より移動
猿に代表される霊長類動物の絶滅危惧種の数が、世界のどこの国よりも、カンボジアが最も高く示されている事実がある――。
IUCN (International Union for Conservation of Nature=世界自然保護連合)によると、カンボジアに繋がるその霊長類の種の伝達経路を見ると、その周辺諸国(ベトナム、インドネシア、ラオス、中国)が上げられ、そのいずれの国に存在する種自体の危惧も、上位2位~5位に点在される。
その危惧種の中でも、カンボジアに存在するものは(細かくは)10種近くになり、そのいずれも絶滅危惧種…と、IUCNにて明らかにされている。
この背景にあるものは、カンボジアの急激な経済成長に伴った「森林伐採」や「(絶滅危惧種の)野生動植物の貿易」が、公然と違法手段を通じて行なわれており、依然、現存している社会問題。
このような現状があるにもかかわらず、実際に、外交的に協力姿勢を見せているカンボジア政府と国際世論自体の対応と理解に対する温度差が、実際に生じておる。
また、カンボジア国内においてさえも、実感の湧かない住民がほとんどなことから、その実際の対応にも遅れが生じている。
例えば、カンボジア農業省のとある高官は、この事実を否定的に見ている。
「IUCNが提言している事実はウソ。猿は、開発が著しい首都圏の街中でも、いたる所[注1]で日常的に目にする」
最後に付け加え、
「…まあ、農村住民には、野生種の動物狩りをしたり、違法な国外への輸出はしないように教育していくよ」(了)
[注1] Wat Phnom(ワット・プノン): カンボジア首都圏の観光名所。小高い丘の上に寺院あり。この公園内及び周辺には、猿が多く生息している。この他Tamao zooなど。
〈参考〉
『国際自然保護連合』
http://www.iucn.jp/iucn/index.html
『絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E6%9D%A1%E7%B4%84
出所: 06AUG08 The CAMBODIA DAILY –HEADLINE-
Original Title: “Local Primates Among Most Endangered”
<閑話>
今回の記事は、いつもの経済・ビジネス事情から少し横道反れたネタです。
「霊長類の種」「絶滅危惧種」なんて、普段の日常ではほとんど気にしない話題ですよね? しかも、生物学といった特殊な専門領域に携わっている専門家たちだけで話の輪が広がる話のネタと言いましょうか…。
がしかし、こういった「動植物の種」に関する問題は、たった一分で解決できる問題ではないからこそ、慎重に、クソまじめ過ぎるほどに、地球上の人類すべて(=つまり現在生きている私たち)が考えていかなければならない問題です。
私たちは、「目の前にある一秒の現実」ばかりに気を取られ、長い目――少なくとも自分の寿命時間の間だけでも――長いスパンで「時間」というものを実感していなければなりません。例えて言うなら、地球は一秒で消滅はせず、だからこそ長い時間をかけてじっくりメンテナンスし続けなければならないのです。
上記の種の問題解決も、それに当たるのではないでしょうか。