ドイツ在住歴約２０年
海外フリーライフ・アドバイザー
ブットラー惠子です。
Osnabrueck
18年前、
私がドイツの語学学校に
留学を決めて出発する時、
母と友達が空港まで
見送りに来てくれました。
その時友達が言った言葉が
今でも忘れられません。
「ヨーロッパで生活をしたら、
日本のいい所も
いっぱい見えてくるよ」
私はそれまでに
旅行でドイツを初め、
色々な国に行っていました。
だから日本の良い所は
多分、日本を
一度も出たことない人以上に
理解していると思います。
世界には、
戦争と飢餓で生き延びるだけで
精一杯の国が沢山あります。
一方日本は、
水道をひねればきれいな水が
流れてくる。
物も豊かで平和な国。
それなのに私は、
日本での生活を
窮屈に感じていました。
小学校の時に
いじめられた経験もあるので、
目立たないように、
みんなに合わせながらの生活。
女性の幸せは家庭を
築いて守ること、という
社会の価値観。
自分の居場所はここじゃない
と思っていました。
そして高校の時に
訪れたアメリカで、
初めて何とも言えない自由と
解放感を肌で感じ,
その数年後、
姉のドイツ旅行に同行して、
自分が住みたいと思う
国を見つけました。
夢を叶えるべく、
その数年後、
ドイツ語力ほぼゼロ、
トランク一つで成田空港へ。
「ヨーロッパで生活をしたら、
日本のいい所もいっぱい
見えてくるよ」
と友人が言った時、私は
「日本のいい所は、
もう沢山分かってるよ」
と笑顔で答えて
ドイツへ出発しました。
いい所は沢山あるけど、
私が幸せになれるのは、
別の場所、
そんな確信のようなものが
ありました。
そして憧れのドイツへ。
ところが、
自由を噛みしめたのも
つかの間。
立ちはだかる言葉の壁。
先の見えない将来という不安。
語学学校に通いながら、
なんとか1日でも早く
ドイツ語を修得したくて、
毎日必死でした。
そのうち
ドイツ人の彼氏が出来て、
彼のアドバイス通り
履歴書を送ったり、
求職者サイトに登録したり。
それでも返信は全くなく、
ビザのこともあり、
焦りは募るばかり。
一方周りの人たちは、
私は彼の実家の豊かさが
目当だと
思っているようでした。
私はそうでないことを
証明するためにも、
どうしても仕事を見つけようと
出来る限りのことはしました。
自分の居場所、
つまり、自分も居心地よくて、
周りからも必要とされる環境を
手に入れるために、必死でした。
そうやって
四苦八苦しながらも、
やがて自分に合った
就活方法が分かりました。
そうしたら
すぐに就職が決まり、
就職したら、
ドイツ語力はぐっと伸びました。
私が就職して、
一生懸命働いているうち、
ケイコは
金持ちのドイツ人と
結婚するためにドイツに来た、
という言うような人も
周りにはいなくなりました。
日系企業での会社員人生では
山あり谷ありでしたが、
自信と経験という尊いものを
手にいれました
（夫とも知り合いましたし）。
そして数年前に、
ドイツ企業に就職。
仕事も評価され、上司や
同僚からも信頼されているのを
毎日のように
感じながら仕事をしています。
家に帰れば、
優しい夫が待っている。
やっと
自分の居場所に
たどり着いた、
という感じです。
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