根拠発掘屋
「ぼくも、傷つけた。」
子どもの頃。
ぼくは、
友達を傷つけることもありました。
好きな子ほど、
かまいました。
いたずらもしました。
相手が嫌がっても、
やめられないことがありました。
そのたびに、
先生に怒られ、
親にも怒られました。
相手が傷ついたなら、
それは、
ぼくが、
傷つけたことになります。
⸻
でも、
ぼくも、
嫌なことをされると、
すぐ頭にきました。
悔しくて、
泣くより先に、
向かっていきました。
相手が上級生でも、
関係ありませんでした。
身体では勝てないのに、
引きませんでした。
負けたくなかったのか。
やり返したかったのか。
その時のぼくが、
何を考えていたのかは、
今となっては、
はっきり分かりません。
⸻
根拠発掘。
昔は、
傷つけられた出来事の方を、
強く覚えていました。
でも、
振り返ると、
子どもの【ぼく】もまた、
誰かを傷つけていました。
そして、
自分が傷つけられると、
相手に向かっていきました。
傷つけること。
傷つけられること。
その両方を、
【ぼく】は経験していました。
そうした経験が、
今の私に、
何を残したのか。
まだ、
すべては分かりません。
だから、
傷つけられた記憶だけを、
掘るわけにはいきません。
【ぼく】が、
傷つけたことも。
傷つけられたことも。
どちらも、
今の私が向き合う、
原石です。
続く。
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