
根拠発掘屋
「wind(屁の意)。」
-ネット黎明期③/③-
iモードで「アイチャ」を始めた頃。
そこで知り合った人たちが、「魔法のiらんど」で次々と個人ページを作っていました。
俺も、その流れで自分のページを作りました。
この頃はまだ、携帯電話からネットを見るのが中心でした。
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魔法のiらんどには、
「伝言板」
という名前の機能がありました。
ただ、俺たちの使い方は、伝言板というよりほとんどチャットです。
誰かがいると、仲間内で決めたキーワードで呼ばれる。
呼ばれた人が、その個人ページへ行く。
そこへまた誰かが来る。
アイチャで知り合った仲間が集まる。
盛り上がる。
そのまま常駐する。
……
エンドレスでした(笑)。
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そのうち、日記や「ブック」という機能にも文章を書くようになりました。
日記には、その時のこと。
その後、独立前のヘルスやセクキャバで働いていた頃には、仕事の愚痴なども書いていました。
一方、ブックには、それより前の出来事も書いていました。
最初にセクキャバで働いていた頃のこと。
すでに終わった出来事を、あとから文章にしていたんです。
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当時の文章は、もう残っていません。
でも、書き方はいくつか覚えています。
文章の中での一人称は、
「おいら」。
初めてセクキャバで働いた時のカルチャーショックも、かなりふざけて書いていました。
「就職先はセクキャバ、◎◎ボイーン。」
そんな表現も使っていた記憶があります。
「◎」は、
乳首のつもりです。
……
二十年以上前から、
だいぶくだらないです(笑)。
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武勇伝のように書いていた話もあります。
客と揉めて、殴られて、殴り返した出来事。
正確な文章までは残っていませんが、
「おいらのパンチが炸裂した。」
そんな調子で書いていた記憶があります。
今なら、
誰が何をしたのか。
何を覚えていて、何が分からないのか。
そこを分けて書こうとします。
当時のおいらは、
そんなことより、
パンチを炸裂させていました(笑)。
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出来事をそのまま記録するというより、少し形にする。
面白くする。
話を大きくする。
オチをつける。
どうやら俺は、二十年以上前から、昔の出来事を文章にして遊んでいました。
そして、その文章の中に一人のキャラクターを作りました。
正確には、
俺の頭の中に住んでいる妖精です。
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役割は、
おいらがカッコついた時に、横から突っ込むこと。
自分に酔う。
話を大きくする。
ちょっといいことを書く。
そんな時に文章へ出てきて、横から壊す。
俺専用のツッコミ役でした。
名前をどうするか。
なぜか俺は、
辞書まで引きました。
候補には「poopoo」みたいなものもあった記憶があります。
……
最初から、
下ネタです(笑)。
その中から選んだのが、
wind。
英語なら、少しカッコいい。
でも俺が選んだ意味は、
wind(屁の意)。
……
わざわざ辞書を引いて、
屁を選びました(笑)。
⸻
根拠発掘。
魔法のiらんどは、すでにサービスを終了しています。
当時のブックや日記も、今の私には確認できません。
「おいら」が実際にどんな文章を書いていたのか。
windが、どんな言葉で突っ込んでいたのか。
覚えている部分はあります。
でも、記憶だけで当時の文章を作り直すことはできません。
分からないものは、
分からないまま残します。
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ただ、今回windを思い出して、一つ分かったことがあります。
私は今、「根拠発掘屋」で昔の自分を書いています。
妙にカッコつけている。
自分に酔っている。
大風呂敷を広げている。
そんな昔の自分を見つけると、現在の私が横から突っ込む。
……
これ、
二十年以上前にもやっていました。
ただし、同じではありません。
昔は、過去の出来事を面白く書くために、「おいら」を少し演出していた。
今は、その演出まで含めて、
「本当にそうだったのか。」
と掘っています。
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文章を書くこと。
昔の出来事を引っ張り出すこと。
面白くしようとすること。
カッコついた自分に、自分で突っ込むこと。
思っていたより昔からやっていました。
違うのは、
ツッコミ担当です。
今は、
私。
昔は、
頭の中の屁の妖精でした(笑)。
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二十年以上ぶりに、
wind(屁の意)。
発掘しました。
くだらないことに妙な労力を使うところまで、あまり変わっていません。
また私がカッコつけたら、
よろしく。
続く。
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