根拠発掘屋

「骨折。あと18日。」

-DEEP JAPANへ⑤/⑥-

みなかみTrailRaceを、

完走した翌日。

昼休み。

私は、

DEEP JAPAN ULTRA 100の、

事務局へ電話しました。

「ITRAポイントは、

まだ反映されていません。

でも、

昨日、

みなかみTrailRaceを、

完走しました。」

事情を説明すると、

出場を、

認めていただけました。

ようやく、

100マイルに、

挑戦できる。

そう思いました。


仕事が終わると、

そのまま、

整形外科へ向かいました。

右足首の腫れは、

残っています。

診断は、

右関節外果骨折。

骨が、

折れていました。

運動は禁止。

治るまで、

早くても三週間。

長ければ、

二か月。

DEEP JAPANまでは、

あと18日。

早くても三週間。

あと18日。

……

計算が、

合いません。


私は、

先生に相談しました。

「どうしても、

出たい大会があります。」

もちろん、

出場の許可が、

出るはずはありません。

足首を固定し、

経過を見ることになりました。


私は、

休診日以外、

ほぼ毎日、

病院へ通いました。

治療を受け、

少しでも早く、

回復するように、

できることを続けました。

本来の診察日より早く、

レントゲンも、

撮ってもらいました。

DEEP JAPANの、

申込期限が、

迫っていたからです。


骨の状態を、

確認したかった。

それは、

間違いありません。

でも、

本当に知りたかったのは、

「治っているか。」

だけではなく、

「大会に間に合うか。」

だったのだと思います。


先生の所見は、

経過良好でした。

状況次第では、

大会までに、

間に合う可能性もある。

もちろん、

出場するなら、

自己責任です。

それでも、

私は、

少し安心しました。


参加費と手数料で、

44,310円。

走れなければ、

無駄になります。

骨折は、

まだ治っていない。

でも、

申込期限は、

待ってくれません。

私は、

最後まで迷いました。

そして、

入金しました。


根拠発掘。

骨折が分かっても、

当時の私は、

「出られるか。」

より、

「どうすれば出られるか。」

を考えていました。

病院へ通う。

治療を受ける。

走らない。

レントゲンで、

状態を確認する。

何も考えずに、

無理をしようとしたわけではありません。


でも、

今振り返ると、

私は、

骨の回復を確認しながら、

同時に、

大会へ出られる根拠も、

探していたのだと思います。

治療は、

骨を治すため。

でも、

目線の先には、

大会がある。

当時の私は、

その二つを、

ほとんど分けていませんでした。


それでも、

私は、

44,310円を、

入金しました。

18日後。

骨は、

まだ完治していませんでした。

私は、

DEEP JAPAN ULTRA 100の、

スタートラインに立ちました。

続く。

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